2008年10月22日水曜日

10月22日(水)日教組、自己批判せよ

・ 昨日21日の産経「正論」欄に初代内閣安全室長を務めた佐々淳行氏の投稿がある。タイトルは「日教組よ、まず自己批判せよ」とある。骨太の正論だ。最近、中山前国土交通大臣が日教組を批判した事件がありやむなく退職されたが、大阪府の橋下知事も不肖私もこの事件には論評を加えた。
・ 佐々氏もこれは舌禍事件で「日教組批判には発言を撤回せず大臣をやめ堂々と自らの責任を取り」その「出処進退」は九州男児らしく「見事」と評している。私もまったく同感だ。
・ 反体制的な自虐史観、日の丸君が代反対、全国学力調査反対、デモ座り込みなど校外での政治活動いちいち無茶苦茶な行動で半世紀にわたり子どもの教育よりもイデオロギー闘争を優先させ初等中等教育の今日の荒廃をもたらしたのは間違いなく日教組であると氏は談じている。全く同感だ。
・ 更に佐々氏は続ける。日教組関係者は「道徳教育には反対ではない」というが、過去道徳教育の導入には集団暴行や陰湿ないじめで反対し続け、児童生徒の公共心やモラル、愛国心なども低下せしめたことは歴史的事実であると論考を進められている。
・ 氏は「日教組は中山氏を批判する前にまずみずから犯した半世紀の過ちを反省し謝罪すべきである」。黙っていれば言いたい放題、歴史の証人として中山氏が言わなかった二つの事例をあえて証言し「日教組の反省と総括自己批判を強く求める」とある。
・ 「腹に据えかねる」といった感じだ。ここまで佐々氏が二つの実例を挙げて論及しているのだから、日教組はこの正論文章に対して「答えなければならないのではないか」。公人が公的な大手新聞の上にこれまた公的に近い組織の批判をしたのだ。黙って済む話ではない。
・ 大体日教組は東京高輪のプリンスホテルのキャンセル事件などでは居丈高に打って出るがこのような記事には答えようとしない。出ても「そのような事実はないし、個別の事案には答えられない」というのが精々だろうがそれでは人々は良く分からない。自分たちの主張を強調するのであればこの記事にも堂々と反論して欲しい。
・ 佐々氏の子息が世田谷の小学校で日教組闘士の女性教師Sから「お父さんが警察、自衛官の子どもは立ちなさい」と命ぜられ、立たすと、「この子らのお父さんはベトナムで戦争し学生を警棒で殴っている悪い人たちです」といい、夕方まで立たせ続けたという。
・ 子息からこの話を聞いた氏は校長に電話すると「相手は日教組、争わぬ方が良い」という始末で、佐々氏は「親の職業による差別でありいじめであり罪のない子どもを立たせるなど体罰」であるとこの校長に迫ったという。
・ そうすると校長は当の教師を自宅に寄越したが、彼女は「組織をあげて警察の権力的弾圧と闘う」と息巻いたそうだ。佐々氏が「あなたとは一個人の父兄として貴方を首にするまで闘う」と言った瞬間に女性教師は突然床に土下座して「首になると食べていけない。みんな日教組の指示によるもの」と泣訴哀願したという。生生しい話である。恥ずかしくないのか。
・ この女性教師はその後どうしているのか、消息が知りたい。もう退職したのかまだ現役か。その後の教師人生はどのようなものだったのか。日教組の女性闘士と言われるような人物でも土下座して泣きながらわびた時の真情はどういうことか。「思想信条とは一体全体教師にとっていかなるものか」私は知りたいのだ。
・ 実は何時もこの種の話は「概括」や「抽象論」で終わるから一向に「本質に迫れない」のであり、ここはこのような個別の事案の該当教師から赤裸々に「事実を語ってもらう」ことが「本質の理解」に近づくと私は考えている。
・ もう一つの事案も興味がある。昭和33年に日教組が道徳教育の導入に武力で反対した時の事件だ。日教組武闘派が2000人終結して大分県でデモや反対集会を行い別府市を騒擾状態に陥れ、その渦中で警察官一人が日教組の闘争本部に監禁されたという。
・ その時の取り締まり責任者だった佐々氏が相手方の県会議員に「30分後に貴方を検挙し私が手錠をかける」と言ったらまもなく警官は解放されたという。私はその時の県会議員で後の社会党代議士になった人の信条が知りたいのだ。残念ながらこの方は既にお亡くなりになっている。
・ 昨日は毎日がもう一つの日教組関連の記事を小さく報道している。「森元首相が日教組批判」とある。名古屋市の講演で「親や子を殺すようなことが珍しくもない世の中になったのは何故か。やはり戦後の日教組教育の大きな過ちだ。」と発言したとある。ここまでは良いがその後が余り感心しない。それが「民主党の支持母体ではないですか」と言ったとある。
・ この森さん、現役のときはその大きな身体で「象の身体に、蚤の脳みそ」と言われた人だが「もう少し上手く言えないのかな」という感じがする。感は良い人で腹も太っ腹な人なのだろうが、折角の日教組批判なら「論理的」に出した方が良い。
・ しかし私は思うのだ。中山前大臣が日教祖批判、今回の佐々淳行氏の日教組批判、昨年の高輪プリンスホテル貸し出し拒否事件、北海道の日教組教員評価システム反対ストライキ、留まることなく「日教組という組織にまつわる事件」がこうも次から次と出てくるのは何か「異常」と思いませんか。
・ 車やお菓子や冷蔵庫を作っている製造業などの民間会社の労働組合ではない。大切な明日の日本を背負う子どもたちの教育と言う営為を担う教師の集団がかくも「世の中を騒がすことに結果としてなっている現実」に私は暗澹たる気持ちがするのだ。
・ 佐々氏のいうようにもうボツボツ「総括」して「遠い昔の話」として整理できるようになれば良い。そのためには日教組は「戦後60年を正しく総括」し、それを国民に説明した方が良いのではないか。佐々氏の主張されるとおりだ。
・ 賃金闘争や時短闘争は職員団体であれば当然あって良いが、「イデオロギーを教育の現場で振りかざすことは止めてもらいたい」。又戦後教育と今日的生徒についてこれらの教師の集団は今後どうしようとしていくのか語らねばならないと私は思うのです。