2008年10月29日水曜日

10月29日(水)WBC日本代表監督

・ 「第二回ワールドベースボールクラッシック(WBC)」の日本代表監督に昨日巨人の原監督が決まった。原監督は「快諾した」と出ていた。迷走の上に急転直下という感じだ。その前日の会議では加藤というコミッショナーが原という言葉を口に出した瞬間決まり、別の場所にいた巨人の滝鼻オーナーは早々と「受諾の意向」を表明し、原も「親会社の指示に従う」とコメントを出し、そして昨日の快諾だ。野村監督ではないが、完全な「出来レース」である。
・ しかし私は今回の迷走劇で本当に様々なことを考えるのだ。まず「星野騒動」からこの茶番劇は始まった。まず「星野監督は世の中を読み違える」。全ての出発点はここからであった。星野さんにもまだ手はあったのに彼は完全に世論を読み間違えた。
・ まず「潔くなかった」。「北京の失敗を総括し国民に説明」すれば良かった。それも早い段階で「説明責任」を果たしていればこのような事態にはならなかった。それを「閉じこもり状態」であれこれ世論に「家族のことまで出して恨みがましい」ことを言うものだから事態はますますこじれて行ったのである。
・ しかしコミッショナー事務局もこれまた「世の中が見えなくなっている集団」で、まだ星野監督にこの段階でも固執していた。なんとダイエーの監督を辞任した王監督をコミッショナー顧問に招聘し、「王さんの名を使って星野を再登場」させるのである。
・ しかしここで「イチロー」が登場する。「北京のリベンジなどの気持ちでやるなら間違っている、本気で最強のチームを作ろうとは思えない」との苦言のコメントが出て一挙に流れが変わった。そして加速する。
・ 「星野さんは自らのホームページで固辞」を表明し、コミッショナーの要請にも正式に断らざるを得なかったのである。まさか「海の向こうから矢のようなイチローの牽制球」が飛んでくるとは星野さんも思わなかっただろう。
・ そして1昨日の2回目の会議となった。メンバーはコミッショナー、王、野村、星野、高田他のメンバーが集まり「現役監督で良い」と話が出ると、即座にコミッショナーから原監督の名前が出る。それで「決まり」だ。わずか1時間で話は終わったという。
・ その時点でもまだ王監督は星野監督にこだわっていたみたいだが、その他「日本一の監督」にとかの議論を吹っ飛ばして原監督に決まった。時間的にもこれが限界だったらしい。私は原監督に一物あるわけではない。13ゲームをひっくり返してセリーグのチャンピオンだ。又一度は日本一を成し遂げている。問題はない。
・ 会議の途中で王さんは野村監督に「どうだ?」と一応は聞いたらしいが、野村さんは「わしは良いよ」と答えたとある。王さんも本気で言ったわけではないし、誰も野村さんに任せようと言う人間などいないのだ。王さんの言葉は「社交辞令」だったわけだ。
・ しかし私は野村監督は「やる気満々」であったと思う。しかし残念ながら誰も彼を押す人など居ない。個人的には野村監督でも面白かったと思うが「野村嫌い」がそうさせなかったのだと思う。
・ 当初読売の渡邉会長は「星野しかいないじゃないか」と応援していたが世論がそうはさせなかった。やむなく「ワンちゃん」とか言ったりしていたが、結局王さんも身体が不調とすれば仕方なく、現役監督から出すとすれば誰が考えても野村監督しかいないのにそうはさせなかったのである。
・ ヤクルトの古田も実績はない、西部の渡邉は固辞をする。現役で日本一になった監督でフィルターをかければ原と野村だ。加藤コミッショナーは巨人と示し合わせて「原を打ち出し」1時間後にはジャイアンツが「原をOK」と、大体これを出来レースと言わずしてどうする。
・ 王も原も巨人閥だ。長島、王、原と野球界は巨人でなければならないのである。野村監督や落合監督などは大嫌いなのだ。清原だって使い捨てだった。しかし本当にこれで良いのか。今回の一連の経緯から私は次のように総括する。野球の世界も「血筋」が物を言う。月見草の野村には本流の椅子は回ってこないということ。雑草や亜流の者には日の当たる場所は回ってこない。
・ やはりプロ野球は巨人を軸にすべてが回っており、他の球団には影響力はないということ。阪神と言えども田舎球団にすぎないということ。すべては東京で決まると言うこと。今読売の渡邉会長は「イチローを何時かは巨人の監督」と思い描いている筈だ。絶対そうなる。これが戦略だから。
・ 星野さんは完全に野球界における影響力を失い、「勝負師として潔さのない人間」には何時かはしっぺ返しが来るということを示した。その点岡田監督は絶対に次のチャンスがくる。「見事な退陣」だった。
・ 日本プロ野球界は今回の事件で「古い体質を露呈」し、それにどうしようもなく人材が枯渇しているということを世に示した。相変わらず日本人監督にこだわり、サッカーみたいに外国人監督の発想がまったくないこと。例えばバレンタイン監督とかの「柔軟な発想」がないということだ。
・ 又メジャーで活躍しているイチローや松阪などは全く対岸の火事として「様子を批判的」に見ており、日本の野球の選手ではない。日本で生まれたアメリカの野球の選手だ。最早日本での監督など彼らには意味がないように発言している。「ワールドスタンダードの発想」だ。
・ とにかく私は今回の一連の事件で「もはや日本のプロ野球はガタガタ」になったと感じる。今後は高校生や大学生も日本でのドラフトを蹴って「最初からアメリカ」に出て行くことが加速されると思う。もうこの流れは止められない。「空洞化」だ。
・ 栄耀栄華を誇っているイチローや松阪も何時かは「捨てられる」。しかしそれにしても「イチローの存在感」は凄い。一言で日本の監督人事を左右し、一挙に野村、落合さんなどを旧世代にした。原の世代の時代を作り、「その次の次くらいは自分」だと思っているに違いない。
・ 私は今浪速を世代代わりすべく動いてほぼ80%成し遂げた。ここ2ないし3年で完全に入れ替わるだろう。「若い世代に橋渡しするのが私の仕事」だ。本校には派閥、学閥などまったくないから「誰でも監督になれる」チャンスがある。若者よ、頑張れ!