2009年5月16日土曜日

5月16日(土)PTA総会

・ 土曜日は「半ドン」だから「午後からは帰れるのでしょう」と時々タクシーの運転手さんに言われるが、とんでもない話で土曜日の方が忙しい時がある。今日も「緊迫した局面」もあり、大変な一日であった。
・ 私は土曜日に勤務するようになって2年半になる。それまでの私は何十年間も「土日と連休」であったが、私学に来て、「土曜日に勤務する」ようになった。最初は正直大変だった。ようやく土曜日の勤務も身体にはなれてきていると思うが「寄る年波」で「軽い疲労感」がさすがに土曜日にはある。
・ 日曜日がこれほど「楽しみ」と感じたことは今までなかった。今日一日頑張れば「明日は休み」と思えば嬉しいが、この週末は「新型インフルエンザ問題」でそうでもなくなった。気の休まる時がない。「学校勤務の者の勤務の大変さ」はここにある。
・ 大概のことは何とかなるが「生徒の安全と健康の問題は絶対的課題」であるから、ここを外したら保護者の信頼は一挙に落ちる。私学にとってこの問題は極めて大切でとにかく「保護者との緊密な連絡」が欠かせない。学校での「生徒の怪我や体調不良」はまず保護者連絡が必要である。この手順を間違うと「後でクレーム」となる。

・ 今日は春の「PTA総会」である。そして夜は「役員歓送迎会」が難波であった。このようにして土曜日も行事がある。その内「学校説明会」などが入ってくると土曜日はすべて埋まる。私学にとって土曜日は「稼ぎ時」なのである。
・ 朝一番PTA担当が本日の資料を持参し説明してくれる。昨日遅くまで残って仕事をしてくれていたらしい。初めての「仕切り役」で発言の順番までメモにしていた。昨年新しく専任に採用した女性の英語の先生だが「立派」と言う言葉に尽きる。
・ PTA総会は何の問題もなく新旧役員の交代、決算承認、予算承認と粛々と進み、終わった後は中学、高校の学年別に分かれて「学年委員会」に切り変わる。特に重要なものは「高校3年生の保護者進路説明」だ。
・ 3学年の学年主任と進路指導部長とは昨日資料の調整は行っている。朝一番に部屋に来て貰って最終確認した。3年生の保護者にとっては大学受験は最大の関心事だから「丁寧に」説明するよう言ったのである。
・ 管理職の朝会では高校副校長、中学副校長、生指担当高校教頭、事務長の順番で情報を出し合い、短い議論や結論、方向などを手早く決めていく。長くても30分以内である。
・ 今日の話題は新型インフルエンザが神戸の高校生で発生したというニュースで「危機管理の為に万が一に備えて連絡体制について」保護者に通知した方が良かろうということになった。副校長が保健体育部長にすでに指示を出しているそうだ。
・ ところがこの朝会の取り決めは「予想外の展開を示すことになる。神戸の高校生は「国内感染第一号」と確認され政府はレベルを第2段階に引き上げ、舛添厚労省大臣の記者会見や「総理談話」などが出始めた。PTA総会と同時進行である。
・ 極めて「厳しい局面の展開」となった。海外渡航暦のない神戸市の高校生が新型インフルエンザに感染していることが確認され、政府も公式に発表した。神戸市は緊急対策会議を開いて東部地区の全校の休校。修学旅行延期、神戸祭りも中止したとネットには流れテレビは連続して放映している。
・ 同時に神戸市は市内の私立学校にも休校を要請したと聞く。遂にこの問題は「新しい局面」になった。「水際作戦」は時間の問題と言われていたが海外渡航者ではなくて国内から人から人への感染と言う事態である。
・ この学校はさらに2名が確認されてその他17名の生徒が「体調不良」を訴えているという。私は副校長と素早く動いた。まず4限終了後「緊急校内放送」を行い生徒に事態の説明を行ったのである。
・ 明日の日曜日は大阪駅や神戸方面に出かけることを自粛するとともに本日手渡した予防プリントや連絡体制について徹底するように話した。又副校長から「私学課」に連絡を入れた。14時から私学課は「緊急会議」を開くということであった。
・ 神戸の隣町、大阪と神戸は通勤客や生徒、学生などは「大阪駅を介在」して今日では一体である。「人から人へ感染するのはもはや時間の問題」なのかもしれない。調査の結果、本校にも高校で8名、中学で1名の生徒が神戸方面から通学していることが判明し、この生徒たちの対応が問題となってきた。
・ 兵庫に近い府内の数校の私学の対応を聞き取り、結論的に言えばこの9名を特別室に読んで一人ひとりに「マスク」を手渡し、寄り道などせずに、気をつけて帰宅するように申し渡した。
・ 実は来週月曜日から始る「中間試験」が始まるのであるがこの9名については「自宅学習」として「受験免除」を申し渡したのである。その旨後刻担任から各ご家庭に連絡するようにもお願いした。
・ 北の方の私立高校に問い合わせるも「大体同じような措置」であり、特に1/3の生徒が兵庫県から通学しているよく知っている私立女子校などは大変だと言っていた。しかし遂に新しい局面になり今私の頭には重く「25日から出発する中学校の修学旅行」についてどうするか考え始めたのである。
・ どうして先には大阪の寝屋川市の高校生であり今度は神戸市の高校生だ。近畿の高校ばかりに感染者が出る。ニューヨークでも高校が3校ほどやられているという。「高校生が狙われている感じ」である。年寄りに感染者はいない。どうしてだろうと思う。
・ 保健室に言って予備のマスクを大量手配するようにも指示し、何とか1000個は確保出来そうだと事務長から報告があった。神戸ではマスクがもう無いと伝えている。真冬の普通のインフルエンザではなくてこの季節のこのような新型のインフルエンザウイルスがここら中飛び回っていると考えれば身の毛がよだつ。変な世の中になったと言うことを痛感する。
・ PTA総会後も冒頭はこの話となり来週中学校の修学旅行の結論を出すとした。出発までまだ1週間あるがどうもきな臭くなってきた。PTA懇親会はスイスホテルで盛り上がったが「大阪市内の私立高校で遂に感染者が発生」したとどんどん連絡が入ってくる。大変なことになってきた。