2009年5月18日月曜日

5月18日(月)臨時休校決定

・ このような扱いでは「切ないではないか」「やるせないではないか」と思ったが「まあ、行政当局の私学への思いはこの程度なのだろう」。しかしいささか「腹が立つ」。深夜厚生労働省の要請を受けて「大阪府は未明に府内管轄の中高の7日間の休校」を決めた。
・ 府教委は朝6時過ぎには「各公立学校」に対してファックス等で「休校措置」を命令した通知文を出す。NHKは朝6時のニュースでそれを「速報」として流していた。「何処も私学のことは言わない」。これを見た瞬間私は怪訝な面持ちで「私学はどうなるの?」と思ったのは当然だろう。
・ アナウンサーの言葉や橋下知事の午前1時30分の深夜の記者会見でもすべて府管轄の公立中学校や高等学校の話ばかりで、政令都市の大阪市や堺市はそれぞれが判断すると述べるだけで「私学の私の字もない」のである。
・ 私は携帯電話で副校長に電話し、管理職ならびに指導・教務部長、学年主任、広報情報委員会メンバーを極力早く学校に呼び寄せるように指示を出した。この時点で「休校止む無しかな」と覚悟しながらの連絡であった。
・ 朝6時40分学校到着。丁度指導教諭も自家用車で到着したところであった。「緊急事態の時」はこういう対応でなければならない。タクシー代など後で学校が支払う。江戸時代から「登城太鼓が鳴れば」急いでくるのが「禄を食むものの振る舞い」である。一般の教員もこういう時に「ちんたら、ちんたら」何時も通りの時刻に出勤するのは「感性の問題」である。
・ 私学課への問い合わせ、各学校などへの情報収集を指示する。「7時頃から学校への電話がひっきりなしに鳴る」。テレビ報道を見た「生徒・保護者からの問い合わせ」であろうが、教員は電話に出ておれないので申し訳ないが「話中」として電話には出られない。とにかく早急に対応を決めなければならない。「本校はどうするか?」である。
・ 7時20分  管理職会議   「休校を決定・宣言
ホームページへのアップを指示」。学校へ登校してくる生徒は一旦教室にて待機させ、校内放送を8時40分に入れることなど今後の対応を決定した。
・ 7時30分  私学課へ「休校決定」を連絡   
・ 8時25分 「臨時職員会議
・ 8時45分 「校内放送」生徒へ校長から休校を伝え注意事項などを連絡する。
・ 9時00分 「生徒下校開始
  通勤混雑がほぼ終わる時間帯を見て下校させ、その前に生徒の健康状況の調査を実施。
  私は正門で帰っていく生徒を観察しながら見送る。生徒はどうも「喜んでいるように」見えるのだ。試験が延期されて嬉しかったのか。中には「校長先生、良い判断だと思います」などと茶化しているようなケシカラン生徒もいた。
・ 10時30分 「校務運営委員会
ようやく落ち着いて「今後の段取り」の打ち合わせ出来た。しかし本当に学校と言うのはこのような事態になると大変なことになる。「様々な行事がすでに決まっている」からそれをどうするか大変なのである。教員は「ため息」を出している。
・ 11時00分 全教職員にマスクを配布
全教職員に「マスク」を配布した。ここで「教員が倒れると人手が足らなくなる」ので困るのである。とにかく教職員の健康管理を頼み、「全生徒の健康状況チェック」を確認。すでにホームページを見て学校に出てきていない生徒も居るからだ。
・ 11時35分 私学から正式文書が届く「休校要請
  私学からのファックス送信表には「私学課からの電話が繋がらず、メールの着信確認が出来なかった学校様に対し、念のため送付しております。」とあった。
・ しかし昨日のブログでも書いたが「ウイルスは怖い」。「目に見えぬ敵」であるだけにどうしようもない。「過剰反応」とか言われても万が一本校から感染者が出たりしたらこのようなことでは済まないことは先の大阪の寝屋川の公立高校の例でも分かる。
・ 症状のない「不顕性感染」もある。あれだけ政府主導で「水際作戦」を展開したが海外渡航暦の無いものに感染者が出て、それも高校生に多いと言う現象は「集団行動」が多いからで「基本的に食い止めるのは無理」だとうことが今回のことで分かった。
・ 「感染力は強いが病原性としては弱い」ということで回復も早そうなことは安心出来ることであるが正直なところ、今の「政府基準」では「都市機能や学校機能は麻痺」する。普通の学校でこのようだから感染者を出した最初の学校などは「もう悲惨な状態」ではないか。寝屋川の公立高校、神戸高校、兵庫高校、関西大倉高校など何が学校で起きているか容易に想像できるのだ。
・ 本校は今のところ感染者は確認していないが「何時どうなるか」分かったものではないが、現時点で「出来ることをする」しか方法はない。隔靴痛痒みたいでしみじみとしないが「諦めて粛々」とするしかあるまい。文句を言っても始まらない。
・ 本校は「私がこういうやり方」だから「スピーディ」に進めたが近隣の学校では「もたもた」している学校の話も伝わってくる。「泣く子と地頭には勝てない」ではないが「ウイルスと知事には勝てない」といったところだ。
・ 行政の縦割りも問題だ。府は府で大阪市や堺市はそちらで判断しなさいといっているのだがそのようなことでは効果はない。やるなら「府下の学校は小中高、公立私立同時だろう」。ここに役人の縄張り意識が垣間見えるのだ。ようやく大阪市と堺市は追随することを午前遅くなって発表した。
・ 「本校のホームページの緊急連絡欄」を見ていただければ「学校で何が起きつつあるか」大変良く分かっていただけるのではないか。ある保護者から「携帯電話での問い合わせが大変良かった」とお褒めに与った。広報の仕事の成果だ。私ではない。こういう緊急時の「広報情報委員会」は素晴らしい。トップページに時々刻々と「生徒保護者向けの連絡」を入れている。
・ 18日から23日までの「臨時休校の代替日」は今後工夫して「補填」しなければならない。文の里中学校の校長は「授業数が足らなくなりどこかで代替授業が必要」とテレビで話していた。長期休業期間を利用することになるのだろう。
・ 12時30分 旅行会社に「中学校修学旅行の延期を正式に伝える
高校と違って「中止ではなくて延期」である。国内だし代替措置は比較的簡単に取れると考えているが・・・。夏休み中に実行することで検討作業に入るよう中学校サイドにも言ったのである。
・ それにしても「想像を超える対応が必要」である。「誰もが経験していない世界で、マニュアルが全く無い」。幼稚園保育所が閉鎖なので働きに出ているお母さんが泣いていたし、東京から関西方面への修学旅行の中止、「新世界のビリケン」さんも消毒しないと触れない。街にはめっきりマスクをしている人が多くなった。