2008年11月1日土曜日

11月1日(土)臨時保護者集会

・ 朝一番に何時もの口調「KOMINAMI(・・・・・・・・・)です」と言いながら一人の教員が入ってくる。何時ものスタイルだ。「この先生、今日から38年目」に入ると言う。昨日は体育科の教員がケーキを買って「お祝い」してくれたという。体育科は今「極めて良い雰囲気の職場」だということがこれだけでも分かる。大変結構だ。こういう話を聞くと嬉しくなる。
・ この先生入って来るなり、じろじろ私を見つめて何も言わない。しばらくして「水戸黄門」ですねという。今日は「一斉参拝」の日で又午後「臨時保護者集会」だから私は「勝負服、着物に袴をつけた準公式の装い」としたのに驚いたみたいだ。しかしそれにしても黄門様とは。私が茨城県は水戸藩に住んでいることを知って言った筈ではなかろう。単なる着物姿に驚いただけだ。
・ 一斉参拝は今日から新しい執行部で「女性会長、副会長」だ。「浪速生活の綱領」の読み上げは良く通る声で大変立派だった。何か一斉参拝が「凛」としていた。次回から会長は私と並んで神社前がよかろう。読み上げは副会長で良いのではないか。
・ 生徒は私の着物姿を平気で見ていた。私は言ったのだ。洋服は明治維新後のもので日本はそれ以前には生徒も着物姿で学校に通い勉強していたのだよと。今日は「皆さんのお父さんやお母さんにお願いがあってこのような正式の姿にしました」から私の話は始まった。
・ まず生徒に初めて「来年度から授業料が少し上がる」。今日そのために君たちのお父さんお母さんに学校に来て貰って「学校からお願いする大切な日」であり、私は本校の運営は君たちの保護者の「授業料と国民の税金即ち補助金」で賄われていることをある程度詳しく説明した。
・ 言いたかったことは「授業はただではない」「授業にはお金がかかっている」ということを感覚として分からせ、「しっかりと授業を大切に」するよう言いたかったのだ。このシーン、生徒は神妙に聴いてくれていた。時にはこのようなアプローチが生徒には効果的である。
・ 次に「関西大学との連携」について正式に生徒諸君に説明した。「頑張れば関大に行ける」ということである。科コースは関係ない。しっかりと勉強し学力や部活動などトータルとして立派な生徒は「学校長より推薦する」と説明した。今の2年生からである。
・ 生徒はやはり目を輝かせて真剣に聞いてくれている。これとは別途に私は特定の可能性の高いクラスの生徒のホームルームの時間に出かけて行って「檄を飛ばして」いるのだが、要は浪速と関西大学とは「特別な関係」に入るということを肝心の生徒に伝えたのである。
・ 勿論相応しい成績を取らねば推薦は出来ないが、生徒にとっては大きな「インセンティブ」になることは間違いない。「関西大学の良さ、強さを強調」し、進路選択は君たちの自由であるがまず「学力を付ける」必要性を言い、「授業を大切にする」よう声を大きくしたのである。進路の話となると一座は「シーン」となるのが印象的である。
・ 最後に生徒には来年の「カナダホームステイ」について説明した。英語圏でしばらく生活しネイティブ英語に浸りたい者は先着20名で派遣するから申し出るように説明した。英語の好きな生徒で大金を使い語学研修までやる生徒は例えば関西大学の外国語学部に推薦する可能性もあるわけで今後関西大学との話し合いになろう。積極的に「海外を若いうちから味わえ」と言いたかったのである。
・ さて臨時保護者集会、「本校にとって初めて」である。最も私が来てから「何でも初めて」である。それまでは何もしてこなかったのだから何でも初めてである。何か仰々しいがまあ普通の保護者集会である。出席者は予想を超えて多くの方が参加されていた。
・ 今日のテーマは三つ。まず「全国学力調査結果の開示」、次に「建物の耐震強度と新校舎建設の目標」を正式に保護者に伝えるということ。そして「関西大学との連携」について初めて保護者に概要を説明する。
・ 概要と言うのは正直言って来年度からだからまだ関西大学と協議中であり、言ってみれば「中間報告」ということになろう。しかしいずれにしても正式に協議に入っており保護者にとっては最大の関心事みたいだ。そして最後に「授業料の値上げのお願い」となった。
・ 私は「パワーポイントの資料33ページ」を使って時間をかけて説明をした。資料は私のワードの資料を情報のY先生が変換してくれたものだ。タイトルは「授業料値上げに関してのお願い」である。会場はこの前買った180インチの大画面が真正面、そして両サイドに100と80インチが列後段に並ぶ。
・ 33ページの資料は「生々しく」編集されており、それをホームページにアップする訳には行かないが改編したもので簡略版を連休明けに本日出席できなかった保護者を対象に「説明責任」を果たす積りだ。
・ 教諭の中には子どもさんを他の私学に行かせているのだが「先生、そこまでしなくても良いのでは」「うちの子の学校なんか、紙一枚で値上げですよ」というがここはしっかりと説明しておいた方が良いと考え、手順を踏んでいる。
・ 今日が済めば在校生とまだお顔を見ぬ現在中学3年生の受験生に対してはご説明したことになる。「今の中学3年生はどうなるのか?」との質問もあるだろうが今の中学3年生から「高校進学は自由」として「中高一貫校」ではないから私からは説明する気はない。
・ 授業料が高ければ他の高校を選択すれば良いし、詳しく聞きたければ「浪速高校入試説明会」に来て説明を受ければ良い。浪速中学生も浪速高校の入学試験を受けて合格しないと本校には入学できない。ただそうは言っても3年間、本校に協力してくれた中学3年生の保護者には感謝と配慮の気持ちもあり「11月18日の中学の授業参観」時に中学の副校長からこの問題に触れることになるのかと思う。
・ 私の説明の後、PTA会長が「応援演説」をしてくれた。「府内平均よりも低い授業料の学校ではない」「如何に校長が生徒の為に頑張ってくれているか」縷々お話してくれ、PTA役員会は「支持する」と言い切ってくれた。力強い応援であった。質問は全くなく、保護者は完全に理解してくれた。そのお顔には「了解した」と書いてあるさわやかな感じがするものであった。「学校の誠意」が伝わったのだ。
・ 中学、高校の 1年と2年の「担任の先生」も同席しており理事長が自ら資料を作って1時間たっぷり声を枯らして保護者に説明したのを目にしているので何かを自分のものにしてくれているだろう。仕事と言うのはこのようにして進めるものだ。今日の「首尾を祝って」今夜は一人で旨い酒。