2009年1月29日木曜日

1月29日(木)その2:桑田は賢い

・ 1月26日のブログで「男道:清原和博本」として清原さんという人物論を少し書いたが結構の反応があった。「まあ、気持ちは分かるがそこそこに・・・」というアドバイスもあったり、関西では大人気の清原だから反発を買うぞなどもあったりした。
・ しかし「本を出版」したのだからこれはすでに公共に触れるもので「読書感」などは当然のことであり、私は全く問題としていない。しかし今回の反応は19年度に書いた「女やくざ:細木数子論」に比べては反響は小さかったみたいだ。あの時は大きかった。
・ 実は私のブログは特定の近い関係にある知人から「個人宛メールに感想」などを送って貰っておりその感想文は大いに助かっている。時には誤字脱字の指摘もあったり、「それは不味いよ」と修正を余儀なくされたりすることもある。
・ 昨夜のテレビや今朝の新聞各紙は「桑田真澄」さんのことが大きく取扱われている。プロ野球元巨人軍の桑田さん(以下敬称略)が早稲田大学大学院に合格したと報じているのだ。囲み記事もあったりして極めて「好意的扱い」である。
・ しかし「この男の生き方は賢い」の一言に尽きる。「賢い」という表現は必ずしも良い表現でない場合もあるが正直良い意味で今は賢いを使っている。英語で言えば「スマート」というのだろう。
・ そういえばオバマ大統領と争ったが、結局は国務長官に就任したヒラリー・クリントンはブッシュ外交からの決別を込めて「スマートパワー」と表現していたがこのスマートだ。「よく考えた」という意味である。
・ 桑田は巨人で栄光のエースナンバーの18番を背負い、右ひじの故障から戦力外通告されても「復活」し、「40歳を前にアメリカの大リーグにも挑戦」した。この時の語り草は代理人任せにせず、自ら契約にこぎつけ日本人スタッフとの会話も「英語で通した男」だ。
・ PL時代の活躍は清原と並んで一世を風靡し今でもPLのKKコンビは高校野球界の伝説になってきつつある。桑田は述べている。「朝から晩まで練習の中で勉強するのは大変だった。あの時頑張って良かった」と言い、「授業中に居眠り」したことがなかったと言う。
・ 巨人指名は清原で間違いなく、桑田はドラフト当日まで「早稲田進学」が語られていたがふたを開けてみれば巨人は「桑田指名」でその状況は当時の社会問題にもなった。しかし桑田は23年後の今、早稲田合格を受けて彼の言葉を借りれば「一生懸命勉強し、駄目ならしょうがないと思えるくらいやった。やっぱり嬉しい」と笑顔で語っている。彼は「努力」をする。芸能人とも付き合わない。
・ 桑田はかくも言う。「野球界に恩返し」と言い、将来的には「プロアマ協定」など課題を抱える野球界の改革に興味を抱いており、「野球界から幸せを頂いた。恩返しとして後輩が少しでもいい待遇を受けられるように勉強して野球界に貢献したい」と大学院での1年間の勉強に夢を託している。
・ しかし私は思うのだ。野球界では「ワイや、清原や」「番長清原」と言われ続け、23年後に引退してまで清原は「しゃべりまくり」そして本まで刊行し、「高校時代につけられた古傷に又錆びたナイフを差し込むのか。どうして巨人はそこまで痛めつけるのか」との歎き節だ。
・ これに対して桑田は「黙して語らず」23年が経過してこのPLの同級生は今回でも完全に「生き方」が別れた。一方は「怨嗟」の声を放ち、一方は「野球界に恩返し」と叫ぶ。
・ この両極端の生き方から「学ばねば成らない」。清原和博、岸和田市出身で中学は岸和田市立久米田中学校、桑田真澄、八尾市出身2人とも典型的な「大阪人」である。このことも興味深い。一見桑田はその合理性と金銭感覚から「関東人」と見られそうであるが八尾市立大正中学校PLに入るために八尾市立成法中学校に転校しPL高校だ。
・ 桑田から「八尾のイメージは伝わってこない感じ」がする。清原は間違いなく「岸和田だんじり男」である。桑田が今東光描く「八尾の浅吉親分」でれば言うことないのだがあの一見神経質そうな面持ちは「小説家的」でもある。
・ 現役時代の桑田はピッチャーズマウンドで時々「祈り」を捧げる仕草をした。対して清原は「金髪にピアス」で相手投手を睨み付けた。私はこの2人を見ると「何か牧師と極道」の対比を感じるのだ。「面白い」。
・ 桑田の生き方を見て何を感じるか。私は「賢い」と感じざるをえないのだ。「スマート」である。「」「」に生きてはこういう形にはならないのか。賢いか、「ずる賢い」か紙一重の関係であるがいずれにしても賢いことは間違いがない。
・ 清原のブログにも書いたが「朝青龍、清原」「白鳳、桑田」のコンビネーションが面白い。ところで私はどう考えても「前者に近い」と言わざるを得ない。生き方が「賢くないし、アホなところがある」からだ。そうでなかったら社長になっている。
・ しかし男は「棺おけ」に入って価値が定まる。言いたい奴には言わせておけ。朝青龍よ、清原よ、「頑張ろうぜ、共にな!」と言いたいところだ。しかし「桑田は賢い」。