2009年1月16日金曜日

1月16日(金)その2:私立中学校応募状況

・ 今朝の朝刊、各紙とも大枠を使って「大阪私立中学生徒応募状況」の一覧表が出た。これを我々は待っていたのである。如何に表現したら良いのであろうか。「浪速強し」「浪速人気」「浪速上昇気流」「浪速急上昇」「変貌浪速」色々とあるだろうが「我々は冷静」である。
・ それよりも「謙虚に」これらの数値を受け止め「責任感」に身を引き締めている。高校と違って中学の入試日は各校それぞれであるが本校は一次Aが明日17日、一次Bが18日である。大体一次は明日のところが多い。
・ 各紙とも「橋下改革」による中学校の私学助成削減幅が25%と大きいため、その影響を分析しているのだが大阪は昨年に比べて0.12ポイント低下して「1.45倍」になっている。この数値は現在の統計からすれば2005年以来の最低数値である。
・ 早速産経新聞は続報として夕刊に「授業料アップ、大阪はダウン」「不況でも子どもに投資」「全国の私立中入試、高倍率」との見出しだ。不況の中でも全国的には伝統的な「難関校を中心に志願者数は増加傾向」としており、塾関係緒者は「子どもへの先行投資という保護者の意識は逆に高まっている」とも書いている。
・ 後述するが本校は難関校ではないが志願者数は大幅にアップしている。もう少し正確に書いて欲しいものだ。大阪の有力な塾「第一ゼミナール」のある課長は「不況だから教育費を削ると言う保護者ばかりではない。先の見えない時代だからこそ、進学実績や指導内容に定評のある学校に行かせたい」と親は思っていると分析している。
・ 21年度から早稲田系の係属校へ移行する早稲田摂陵は倍率が1.61倍から1.17倍に大幅に低下した。当初「早稲田効果で大阪の中学受験地図を塗り替える」とまで言われたがふたを開けてみれば、ここの校長が言うように「非常に厳しい数値だ。告知が足りなかったのか・・・」と記事にはある。
・ 一方夕刊朝日は相変わらず皮肉っぽい表現で「不況お受験、人気は医歯薬」が見出しだ。近畿2府4県で受験者は昨年と同じ2万人で、ほぼ小学生10人に一人が受験する計算になるとある。
・ 阪神間のある小学校では約100人の6年生のうち今日は2/3が欠席したそうだ。最後の追い込みや風引き防止などが理由と書いてある。見出しが悲しい。「友達どこへ」と書いている。もう少し書きようがあろうものを。
・ 河内長野の親は「娘を就職難で苦しませたくない。景気に左右されない医療関連の資格が取れる進路は魅力」と小学校6年の段階から既に進路を決めているのが実態なのである。
・ 大阪では志願者が減っていることは間違いない。しかし私は思ったほどではないと思う。大幅な公立回帰とは言えない。それでも京都が2.9倍(前年2.9)、兵庫が2.96倍(前年2.9)であるから「大阪の1.45倍の低さ」は分かる。とにかく府内の私立中学校62校あるのだが本日は「悲喜こもごも」となった。
・ 浪速の新聞数値は一次A試験に114名とあるがこのデータは14日付けで古く、今現在128名となっているから「浪速は2.54倍」だから「如何に伸びたか」がわかる。50名定員のAに128名、20名定員のB試験に125名も受験に来てくれるのだ。Bは6.25倍という数値だから「根強い人気」であることは分かる。
・ 男子中学で言えば大阪星光学院、清風、高槻、明星で4校、女子中学では大阪女学院、大谷、四天王寺、帝塚山学院、プール学院で5校が来る。共学中学では追手門学院、大阪国際大和田、大阪桐蔭、開明、関西大倉、関西大学第一、近畿大学付属、金蘭千里、清教学園、清風南海、同志社香里、初芝富田林、桃山学院に本校を加えた14校が数値で目立つ。
・ 以上の学校で23校となるから全体の62校からすれば37%である。唯一の中等教育学校である大阪学芸中学は大きく定員を割り込み、わざわざ記事になっている。強いと思っていた学芸さんがどうしてだろう。本当に厳しい世の中になってきた。
・ 浪速は私からすればこれはまだ「通り道」でさらに「中身を高めて」いかねばならない。一次Bは併願人気度を示すもので一次Aでより難関と言われる中学を受け失敗した時に本校に駆け込むと言う構図なのである。
・ 従って一時Bの生徒は相対的に学力レベルは高いと言える。このBの生徒が一次Aに廻ってくると「ほんまもの」となるのだ。間違いなく本校はその道を歩んでいる。募集定員は70名で選りすぐりを徹底的に鍛えていけば6年間で「どの大学にも行かせる」自信はある。
・ しかし着任以来1クラスが2クラスに、そして昨年は3クラスになった。今年は3クラスで十分である。中学を主として担当してきた入試広報の副室長は詳細データを私に説明した後「夢のようです」と言っていた。本音だろう。苦労した人間が発する言葉だ。
・ 中学生が来てくれず1クラス30人を切るところまで落ちた浪速中学校が今急激に変貌を遂げていることに感無量の面持ちだった。数もさりながら「偏差値による中身」が全然違うことも「中学は今後別の世界が始まります」と彼は表現していた。
・ しかし大学名を頭に付けても「生徒の志願を得ない」高校もあるし、何かと「内紛」など聞こえてくる学校は一目瞭然で「落ち込む」。「怖い、怖い世界」なのである。心せねばならない。
・ 浪速は「生徒の面倒を徹底して見る」ことが信頼を勝ち取る秘訣だ。「まず生徒のことを考えよ」。自分のことを優先させるな。朝読書で楽をしようというような学校では直ぐに廃れていくだろう。先にあげた有力な学校はすべて朝読書を実施している。
・ こういう教員がいるなら私は学校を守り、一生懸命頑張ってくれていている教員のために異常分子、不満分子を「排除」することに厭わない。法廷論争でもなんでも受けて立つ「覚悟」は出来ている。「浪速は今後3年が勝負の時」である。今の高校1年生で実績を出さねばならない。