2009年11月17日火曜日

11月17日(火)人事の季節












・ 「22年度教員採用第二回目募集」が締め切られ、現在「採用センター」で二次試験に応募してもらえる方々の検討が進められている。「二次試験とは面接と小論文試験」である。「第一回目募集」はすでに事務手続きは完了して「契約書」も交わしている。
・ 学校は来年度入学の「募集活動」も山場にあり、先週は「中学校の第2回プレテスト」が完了した。これでほぼ来年度の「浪速中学校入学者数の予測」がある程度の確率で想像できる。今週21日は「第二回目の高校入試説明会」がある。これも極めて重要なイベントである。
・ 本校は第2回目を重要視しているが入試広報室の誰に聞いても「参加者の数は読めない」と言う。中学入試の方は「塾訪問」などで「手がかり」はあるのだが高校の方は予測できないと言う。
・ 加えて来年度から「公立高校授業料が無償化」になるのに伴い「私立高校でも年収制限はあるが無償化の拡大」が成されるから「公立か、私学か波はどちらに流れるのか」良く分からないのだ。
・ 厳密に言えば来年の「3月下旬の公立高校の合格発表」まで分からないのだが、そういうことでは「教員の手配」が出来ないから「生徒入学者すなわち構成クラス数を予測」して10月から採用活動を始めているのである。
・ しかしこの予測は難しい。センターの副校長は経営のことを考え、いつも「ぎりぎり」で考えているからクラス数が一クラスでも外れれば教師手配で大変なことになるので今年は「余裕代」を私は与えた。すなわち教員採用に難しい教科のところは「多めに採用」することもあるべしとしたのである。
・ 本校で言えば数学、理科、国語などが相対的に難しい。英語はその中間くらいか。社会科は応募者も多い。これは全く公立の教員構成と同じ現象である。社会科の教員免許は比較的多くの学生が保有していることと関係があるのかも知れない。
・ 「教師志望の若者の人生」がかかっているから人選は当然「慎重に総合的に検討」しなければならない。外部推薦はお受けするが判断は当方の責任で決定する。小さい世帯の本校にとって「65歳まで働いていただく教師」は「学校の命運を左右」するくらい重要事項である。後で「あの採用は失敗だった」というわけには行かないからである。
・ 本日採用センターの副校長から第二回目採用の二次試験、すなわち面接と小論文をお願いする志願者を選定し、決定した。後はセンターから応募者に連絡が行くことになる。今回も多くの若い方々に残念ながら「ご縁がなかった」と伝えざるを得ないがご理解頂きたいと思う。
・ 判断には当然のことながら「教科すなわち免許の種類」「年齢構成」「クラブの専門性」「特技」「履歴書から浮かび上がる経験や意欲」などであり、決して「男女性差」「学歴」「職歴」などは判断の材料にはしていない。あくまで「人物本位」と「ポテンシャルの高さ」である。
・ 今回の第二回目の募集は「公立教員採用試験の合格発表」が終わった後を考えて行ったもので本校でも非常勤講師の先生から3名が合格されて来年3月に本校を去られる。誠におめでたいことである。心から祝福して送り出してあげたい。 逆に常勤講師の3名は落ちたと言う。難しいものだ。
・ 恐らく年明けには「第三回目の募集」もあるかも知れない。それは今月終わりまでにまず常勤講師の先生のうちで来年3月で「雇い止め」に成る先生への通知がなされるだろう。1年契約だから仕方が無い。自分を活かせる他の職場で来年は頑張って欲しい。
・ そして年明けになると思うが専任教員について「退職意向調査」がなされる。特に専任教諭の退職意向調査は重要で、若し役職者や担任業務でもしておられる先生であれば「来年度の分掌人事」に影響するからである。。だれかれ直ぐに分掌長や担任というわけには行かないからである。
・ 同時並行して現在勤務していただいている常勤講師の先生方から「専任教諭の採用」も最終検討に入らねばならない。一般的に私立学校では3年を限度として「常勤講師」として「見定める」というのがある。3年と言うのは労基法の精神からきていると考えられる。
・ その後専任に採用するかどうかという厳しい判断があるが私は「期間は柔軟でよい」と思っている。出来れば「担任経験」をしてもらうことが最も良いのだが全ての常勤講師の先生を担任に当てはめるほどクラス数は多くないのである。従って2年目で専任採用もあるだろうし、担任経験は「出来れば有ればよい」という感じである。
・ そうかといえば今年第一回目の採用では昨年公立高校に採用され大阪市内のある高校に赴任したが「もう厭だ、厭だ」とそこを辞職して本校に来ることになった教員も居る。「校内は荒れ、とてもそこでは自分の教員人生がイメージできない」と言う理由らしい。
・ 私はまだ会っていないが「指を数えて」まだ何年もあのような学校に居ると思えば「辛い」のだと思う。公立の教員は最初の赴任校には最低でも4年、長ければ7年も勤務するのが一般的だから30歳過ぎまでそこに居たら「教師としてのスタートが余りにも切ない」と言うのであろう。公立経験のある私にはこの気持ちが分かるような気がする。
・ 一回目も二回目もそうであったが年齢は千差万別である。まず「新卒」のバリバリのフレッシュメンがいる。そして50歳台の先生まである。又前職がどこかの学校の常勤講師や非常勤講師が圧倒的に多いが中には「社会人経験者」もおられる。
・ 教員免許を有して大学を卒業し、社会人になったが「教師への夢」捨て去ることあたわづ「挑戦」と言う方もおられるし、どうも「民間会社が何らかの理由で辞職」「教師にでもなってみるか」というのもあるみたいである。
・ そうかといえば転勤で大阪に来たのでとか、結婚後子育てが一段落したのでこの辺で昔の教師の仕事を希望するとか色々あってまさに「人生いろいろ」である。年齢構成は圧倒的に26歳までが多い。大学卒業が23歳から修士で25歳としていずれにしても若い新進気鋭の若者が多いことは間違いない。

・ そこで私は思うのである。若し民主党が進めている「教員免許6年制」になったらこれらの方々はプラス2年だから28歳近くまで身分が安定しない「教師と言う職業」を選択する人は本当に居るのかと言うことである。
・ 今朝の毎日新聞はこの問題を大きく取り上げていた。「教員養成課程」を学部4年、大学院2年として更に1年の現場実習を義務つけたら「良い先生になれるのか」という重い命題である。
・ この問題は別途本ブログでも言及していくつもりである。06年度にスタートした「薬学部」の6年制は大変な事態を招いた。私学の「薬学部志願者が前年の138000人から09年度は79000人と40%の減少」を見たのであった。これと同じ運命を辿るのではないかと言う指摘をする人もいる。しかし私の意見は短大でも4年生でも大学院でも関係はない。「良い教師」とはそういうものだけでは諮れないと思うのである。「良い教師とは何を持って言うのか、そこが問題である」。