2008年9月9日火曜日

9月9日(火)通塾格差

・ 「塾に通う費用」がじわりと家計を圧迫してきている。物価高で疲弊する家庭から悲鳴が洩れてきているらしい。塾に通わすことの出来ない「低所得者層」も増えており、自治体や特定非営利活動法人(NPO法人)が塾代援助などに乗り出しつつある。
・ これを経済状況による「通塾格差」と言うそうだ。初めて聞いた言葉である。日経新聞のつけた言葉か?低所得者層の多い「大阪府は支援するどころか助成をカットする」。東京都は大きな違いである。「自治体教育格差」が顕著になってきた。
・ しかし私などから言えば「」が世に認知された現在の状況が「」のように感じる。長い間日本では「塾は認知された社会の装置」として認められたものでなかった。私などが小さかった時には「ハザマ産業」として「フン」と小ばかにした感じの扱いで、肝心の当時の文部省も「無視」を決め込んでいたのである。「塾が日本の教育に果たしている貢献」など知らない奴らが好きなことを言う。
・ しかし高学歴志向や受験戦争と言った言葉が踊るようになった昭和元禄の時代から「」「予備校」が社会の全面に出始め、「認知されて」今日まで来ている。「1億総中流」と言われた時代から平成バブル、そして長いリストラのトンネルを経て今日があるが、ここにきて「原油高」等国際経済の仕組みの変化で「もう一段の給与所得の減少の時代が来た」と私の言葉で表現したい。給料が下がる時代になったから塾の費用が議論されるようになって来たのであって「塾代が上がっているのではない。」
・ 大阪府は職員給与が10%カットされ、市の職員もカットの動きの中で、浪速の職員も申し訳なかったが先行して「理解と協力」を得て財務基盤の許可と新校舎建設を目標に頑張ってきている。第一段階は整理できたと考えている。
・ 「塾に通うなら習い事は止めようね」がどうも家庭に出てきたみたいである。バレーやピアノ、ソロバン教室、バイオリン、スイミングなど世の中は少子化もあって「習い事」オンパレードであるが、「親の経済力が子どもの教育格差」が明確になってきた。
・ 一億層中流は遠くに飛び散り「ワーキングプア」とは言わないまでも「家計に占める教育費」が重くのしかかるようになってきたということだ。今専業主婦の比率はどんどん下がり、時間を見つけては「パート」に働きに行き、これは自分の着る洋服とか化粧品に化けるのではなくてすべてが「子ども教育費」につながっていると思う。
・ 例えば娘さんが「塾の夏季講習に行きたい」と言って親に頼んだが講習費が13万円と聞き絶句した親とか、高校受験を控え、割高のパート代を稼ぎに深夜の仕事に出るとかの話には枚挙がない。
・ 今年8月文部科学省は「子どもの学校外での学習活動に関する実態調査によれば小中学生で平均21300円」になるという。これは凄い数値だ。「塾の経費が家計を圧迫するという中学生の保護者の比率は25.8%」という。
・ 「2学期からやめます」と言って大手予備校を「突然退校」する生徒が目立つと言う。頑張っていただけに「どうして」と聞くと「親の経済的問題で」と涙ぐんで答えると言う話もある。
・ 親の方は「折角やる気になった子どもの月謝が払えず塾をやめさせてしまったと自責の念にかられ、涙ぐみながら、もっと頑張らねば」と心の傷を負う。文科省の調査は前回から6%も下がったという。
・ 世帯の経済状況で開きつつある「通塾格差」の対策に乗り出す自治体が出てきた。まず東京だ。板橋区は生活保護所帯の中学3年生を対象に年19万円までの「塾代支給」を決めた。
・ 生活保護世帯の中学卒業者の高校進学率は07年度で75.7%であったが塾代支給者は89.1%と高かった。板橋福祉事務所の関係者は「単なるお金ではなくて就学意欲が高まった」と言う。
・ 遂に東京都の石原知事は年収300万台の低所得世帯に「塾代融資」を始めた。「大阪とはえらい差だ。」大阪は橋下知事が頑張って「全国調査を開示せよ、浪速版夜スペ、習熟度別授業」など掛け声は大きいが「投資はしない」。「財政破綻の大阪府民の子どもは悲しい」。
・ しからば「浪速中学校、高等学校はどう動くか」が問題である。答えは「塾とおなじような機能を学校が割安で実施する」ことしかない。「受益者負担と言う言葉をもっと大切に」しなければならない。
・ 要は基本的には「学校で面倒を見る」という考えがベースにないとならない。浪速でも親の経済力格差は広がってきており、「お金持ち」もいれば「苦しい家庭」もいることは私が一番知っている。授業料の滞納をみれば一目瞭然である。
・ 私立学校の教師は公立とは違う。今や学校教育と塾教育と予備校教育と何でもかんでも自校の生徒の為になるのであれば「やるという志」が「私学間競争に打ち勝つ秘訣」ではないか。やったところが勝ち組として生き残る。「塾との連携」も一つの考えだ。
・ 私が前任校で「塾は呼ぶわ」「塾と連繋して生徒を格安で勉強させるわ」「土曜日講習」「全国模試参加」などと次か次と新しいことをやったときに、ある私学の理事長から「公立がそんなことをされたら、私学は持たんわ」と言われた。橋下知事は今公立小中で同じようなことをしようとしている。
・ 「利益は不要である。コストの補填さえ出来れば良い」。そのような考えでぎりぎりの予算で「就学意欲の強い生徒の為に浪速塾」をどんどん発展させねばならない。大手予備校の受講費に比べれば1/5-1/10くらいの予算でやらなければならない。
・ 先の夏季トップインテンシブセミナーの大成功を受けて今度は冬休みにトップ30の特別合宿を行う。「浪速塾」だ。「浪速特別進学塾」だ。遂に「場所が確保」できた。格安だ。生徒には喜んで貰えるだろう。ただし1年生2年生で各30名あるいは1年生だけでトップ60とするのか、検討が要る。食事は近くの仕出し屋さんから取る。建物は新築で環境が極めて良い。
・ 過日下見をした進路指導部長は興奮して報告に来た。そして冬休み2泊3日と期間は少ないがカリキュラムをまとめよと指示したのである。「濃密で格安の浪速塾第二弾」は場所を変えて阪南市で行われる。少しでも「通塾格差」を学校で補わなければならない。
・ 将来、自前で「学習合宿館みたいなもの」を持つことが私の夢だ。もう名前も決めている。「浪速尚学館」だ。誰か土地を貸してくれたら建物ぐらいだったら直ぐ建てれるのにと思う。空いている時はクラブ合宿にも使える。
・ 私の夢は膨らむが先立つものはお金だ。「私学の付加価値」とはこういうところだ。「公立が橋下改革で限りなく私学化を進めて」おり私学は新たなことで「差をつける」必要がある。それが「浪速尚学館」構想だ。そこを塾や予備校先生にも使ってもらえば場所代が不要だけに塾の先生や予備校の先生にお支払する費用も安くて済むと踏んでいる。
・ 本校の教師でも「教え方の上手くない先生」に「大事な生徒を預けるわけにはいかない」 「卓越した塾の先生が本校の生徒を本校の施設で教えてもらう」ような時代は来ている。大阪府はそのようなことをしようとしているのだ。私は既にそのように進めている。夏季のトップセミナーでは見事にこなしてくれた。まず教師は教科で生きる教師であることが大事だ。今「冬季のトップセミナーの講師を誰にするか」考えている。
・明日は「塾長様対象の21年度入試説明会」だ。頑張ろうと気合だ。気合だ気合だ。