2010年1月7日木曜日

1月7日(木)明日の準備:教育相談




・ 昨日の朝刊各紙において府内の「中学3年生進路希望調査の中間発表」の記事が記載されていた。どの新聞社も扱いは比較的小さいものであったがこれはまだ昨年12月中旬調査の中間調査だからであろう。次回の発表、1月中旬が楽しみであると言いたいが正直言って心配でもある。
・ しかし予想通り「公立高校志向」が鮮明となっている。全日制の公立高校への希望者は前年同期に比べて「2651名増加」しているが「私立専願希望者はなんと1名の減少」と出ていた。
・ 私立希望者は13.34%で前年同期比で0.6%の低減で「過去最低」となっているが、まだ誤差の範囲内である。しかし間違いなく「長引く不況と新年度からの公立高校授業料無償化の影響」である。
・ 他府県でも同様な「公立回帰」は見られ、愛知県0.7ポイント、京都0.2ポイント、兵庫県0.29ポイントの減少と記事にはあった。しかしこれも最終統計までは分からない。
・ 大阪府の場合今春の中学校卒業生は少子化の谷間で少し前年より増えておりその数も3530名増となっている。府教委はこれを見越して「公立高校の定員を昨年より3440名も増やしており」、中3卒業生の多い分、すべて公立で受け取ろうという腹なのであろうが、今のところまだ800名ほど余裕がある。
・ 定員を増やしたが、結果として充足しなかったとなれば私学側には幾分愉快なことなのであろうが、話はそう簡単にはいかない。大阪府から他府県への流失などもあるからである。最も逆に奈良、和歌山などから大阪の私立高校に通ってくるのもいるから今後の状況では大きく変わる。今の段階で「一喜一憂」する必要はないが・・・。
・ 府内全域で中学3年生74179名が卒業するが、全日制公立希望者は67365人で定時制は779人と中学校校長会は発表している。注目すべき数値は定時制の数で、前年より128名増えている。最初から定時制と決めているのだから家庭の経済問題が影を落としていることは明らかである。
・ 深刻なのは「私立高校の専願者の数」でなんと9147名に留まっていることである。私立高校には行けない、行かないということで「まず公立ありき」で受験に失敗したら「滑りとめ」の私学に行くと言うことである。
・ この専願の数は94校の私立高校があるから単純に計算しても私立1校当たり97名であるからこれではやってはいけない数値である。完全に大阪府では一部の私立を除いて私立高校の存在意義は「公立からの戻り」すなわち「併願校としての位置づけ」になってきつつある。
・ 私はこの年末年始一つの論文を書いていたがまさしく今回の発表は論文内容を証明するようなものであった。確かに政府の政策は私立高校にも12万円から24万円まで助成をしてくれる内容にはなってはいるが、「無償と有償」との「格差感」は今まで以上に広まったと私は考えている。
・ 私立高校の意義はまさしく「専願で生徒を集めることが出来るか?」にかかっており、「併願人気校」の地位に胡坐をかいていては「明日は無い」と考えねばならない。昨日の私の「年頭所感」を本校の教職員は徹底して頭に入れて欲しい。その部分を再掲する:。
キーワードは「徹底的に生徒の面倒を見る」ということだと思います。本校は私立学校であり私学とは公立と違った「付加価値」を生徒・保護者に感じて貰うことが重要だという認識です。それが高い授業料の意味だと思います。「手抜きは衰亡の始まり」と考えねばなりません。「今居る生徒こそ我々の最大の顧客であり、広告塔」だと考えることが必要です。”

・ 学校は明日から始まる。本校は神社神道の学校として「新春拝賀始業式」として神社庁やPTA,同窓会などをお呼びして全校一斉で「学院神社」にお参りするのだが今日はその準備に入った。
・ 同時並行で明日から始まる「教育相談会」の会場設営も始まった。気の早い中学校はもう本日から本校に来られている。場所は「相談会場」「中学校関係者の控え室」「本部」の三つが必要である。
・ 相談会場は10のブースに別れ、そこに本校の入試広報室の先生方が控えられて中学校の先生方をお迎えすることになる。これがスタイルである。私はもうこの光景を4年間見てきた。
・ 最初の年度は校長ではなかったが、相談件数も少なく相談会場は今私が使っている理事長室と隣の校長室を使っていたらしい。それが今や手狭となり今の新館に拡大したものである。
・ 不謹慎だが何時もこの相談会場を見ると「占い会場」のように見えてならないのである。小さなブースを仕切ってそこにベテランの本校室員が座り向かって神妙に中学校の進路指導の先生方が座って「ひそひそ」話している様子はまさしく占い的な雰囲気を醸し出している。
・ 話す内容が「この成績で大丈夫だろうか、どうか」などだから占い的なものであることと似通っているわけだから別に不自然ではないのである。重要なことは「事務取り扱い」であり、これは間違うことは絶対にあってはならないから大変である。
・ 「本部」にはパソコンが配備され能率よく、機能的に配備され当然関係者以外は「立ち入り禁止」となる。私も明日以降は立ち入らない。校長が特定の生徒の相談結果を見知ったりすることを避けているのである。
・ まずこの教育相談に何名来てくれるのか、そのうち何名が専願者であるのか、徐々に気分が盛り上がってきている。面白いことになってきた。「ゲーム感覚」とは言わないがそうでも思わないと「真綿で首を絞められる」みたいで息がしんどくなるからだ。