2010年1月12日火曜日

1月12日(火)公立の授業料無償化の影響、東京と大阪








・ 「公立高校の授業料無償化で公立高校には志願者急増と思いきや・・・」との見出しは昨日の日経新聞朝刊のコラムである。これは新聞社の論説委員かそれに近い人が書いたものであろう。内容が面白かったからである。「旬の話題」を提供することが「センス」である。
・ これは東京都の例であった。西の大阪、東の東京と両方とも著名な首長である。いわずと知れた石原慎太郎都知事と橋下徹府知事である。東京都は年末に「高校就学給付金制度」を発表した。これを受けて記者は「公私の学費の比較」をしているのである。
・ 都内の私立高校の来年度の学費(平均額)は「授業料が42万3000円」で合格すると「入学金その他を合計して約875000円」と言う。これに対して東京都の給付金は年収が250万円未満では238000円で250万円から350万円の世帯では178000円、それ以上の世帯では119000円が1年間で支給される。
・ 差し引き、親のおよその負担額は「年収の低い順に637000、697000円、766000円」となる。一方の都立高校は授業料が無償となるため親の負担額は入学金の5650円のみと書いてある。しかしこれは間違っていないか。
・ いずれにしても初年度の公私間の親の負担額の差は63万円から76万円と大きい。私立の場合ほかに「学校債や寄付金を募る学校」があり、以上のような給付金では「公私の格差」は縮まらない。ここがポイントである。
・ したがって公私問わず高校関係者は「都立の志願者が急増」する可能性を考え、大阪府などでは「公立の定員見直しを行い受け皿作り」までしてきた。ところがだ。東京都で12月末の公立中学3年生の進路希望調査が調査したが、全日制高校への進学希望者で「都立高校を志望する生徒はほとんど伸びていない」と言う。
・ 「男子の志願率はわずかだが下がっている」と言うのだ。逆に私立や国立、他県の高校への志願率が若干でも上昇していたという。これほど新聞記事などで公立高校の授業料無償化が喧伝されても都立の志望者は伸びなかった。
・ 新聞記事には「原因はそれだけのお金を支払っても進学したい私学があるということだろう」とサラリと書いてある。記事には「言い換えれば有利と分かっていても行かせたくない都立があるということで、都立高校はこの現実にどのように答えるのであろうか」が結言であった。強烈な右フックである。
・ しかし東京の私学は羨ましい。もともと公立に比べて私立が強い土地柄だったからこのような傾向が出たのだろうが果たして「大阪やいかに」というのが問題である。東京に比べ「大阪は公立が強い歴史」を誇ってきた。
・ しかし他府県とは言え、授業料格差をものともせず、公立を席巻している東京の私立高校は立派である。さて大阪はどのようになっているのか、そこが問題である。本校が一体どうなっているのか。
・ おそらく明日明々後日辺りに同じような2回目の調査結果が発表されるかも知れない。私はこの7日のブログで東京の調査と同じタイミングでなされた調査結果について論評している。それを再掲してみよう。
“昨日の朝刊各紙において府内の「中学3年生進路希望調査の中間発表」の記事が記載されていた。どの新聞社も扱いは比較的小さいものであったがこれはまだ昨年12月中旬調査の中間調査だからであろう。次回の発表、1月中旬が楽しみであると言いたいが正直言って心配でもある。
しかし予想通り「公立高校志向が鮮明」となっている。全日制の公立高校への希望者は前年同期に比べて「2651名増加」しているが「私立専願希望者はなんと1名の減少」と出ていた。
私立希望者は13.34%で前年同期比で0.6%の低減で「過去最低」となっているが、まだ誤差の範囲内である。しかし間違いなく「長引く不況と新年度からの公立高校授業料無償化の影響」である。
他府県でも同様な「公立回帰」は見られ、愛知県0.7ポイント、京都0.2ポイント、兵庫県0.29ポイントの減少と記事にはあった。しかしこれも最終統計までは分からない。“
・ 東京と大阪の家庭に経済力の問題や公立の強さなどの理由から、大阪の第1回調査は「鮮明な公立回帰」であり「東京都の傾向とまったく異なる」。従って私はこの8日から始まっている「教育相談」の結果を「固唾を呑んで見守っている」のである。
・ 毎日毎日データを集計して動向を見ているが今の時点では一切何もブログには書けない。他の私立高校はどうなんだろうという気持ちもある。入試広報室のある女性メンバーは毎日、数値が気になって本校の「心理療養士の先生」のところに駆け込んだと聞いた。
・ 「ピン」と張り詰めた空気が流れ、毎日中学校からのお客様をお迎えしてお話を伺っている。それも今日で大方終了する。本日で特設の相談会場を閉じて明日からは幾分小ぶりな部屋に場所を移してとなる。そして「週末の中学本番入試」の試験会場整備に入っていくことになっている。
・ 「中学校の願書受付」はすでに事務所で始まっており、こちらは相談などという生易しいものではない。もはや本番の段階である。私は2時間おきに事務室に願書の出願数を確認しているのだ。
・ 公立高校の授業料無償化と中学3年生までの「子供手当て」が私立中学と私立高校へどのような影響を与えるのか、最終段階に差し掛かってきている。私は「心静かに」結果を受け入れなければならない。「教職員は大変よく頑張ってくれたと思う。」
・ 先週の土曜日に、私との面談希望があった現役の公立高校の正教諭はそういえば面白いことを言っていた。「公立は無償化で恐らく更に荒れる学校が増えるのではないか。アルバイトに精を出しながら、席だけは置いといて!」という生徒が増えるのではないかと。
・ 今までは「授業料を親が出してくれているのだから、もっと勉強しなさい・・・」などと言えたがこの文句はもう使えなくなるので、「公立高校の留年者が増える」のではないかと言うのである。「授業料がただ」なのだから何年高校にいても関係ない訳だ。私は「なるほど」と得心したのである。