2010年3月18日木曜日

3月18日(木)現金管理
















・ 今日は夕刻から先の「高校2年生の修学旅行の解団式と慰労」のために主たるメンバーの先生方を夕食にご招待して一時楽しく懇談した。新しく改装開店した難波「高島屋」のサイゴンサイゴンというベトナム料理のお店であったが、盛り上がった。料理も大変に美味しく気分良い時間を過ごしたのである。

・ ところで、1昨日前理事長が予告も無くひょっこり見えられた。お元気そうで安心したのである。何と「ボーイスカウト団」の発足で「何かと物入りだろうから」とおしゃって10万円もの寄付金を持参して頂いたのである。「有り難く頂いた」。大いに助かる。
・ このように学校には「不定期に現金が飛びかう」場面が多いところである。表現方法は幾分不適切かも知れないが。分かり易いので使えば「学校は現金商売」なのである。これは企業人なら感覚として分かるのであるが、学校の教職員には分からない感覚である。この「現金商売というのが学校の強み」なのである。
・ これが「約束手形」などの「手形商売」だったら学校は「不安定」になって「ニッチもサッチも」行かなくなって潰れる危険性が高くなる。幾ら生徒が少なくなろうとも「少なければ少ないように」工夫して行けば何とかなるものである。
・ ところが学校法人が「欲を出して」リゾート地経営とかホテル業などに参入とかやれば「借入金」や「手形支払い」「手形入金」などになって「しっちゃかめっちゃか」実態が分からないような状態になる。挙句の果ては「手元現金が回らなくなって」倒産すると言うケースである。
・ ほとんどの私立学校の倒産はこのケースである。生徒はそこそこ集まっているのに「運転資金が回らなくなって」倒産するのである。特に企業でも最近はこのケースが多い。借金が多くて倒産するのではなくて「運転資金で倒産」するのである。学校は学校だけ経営しておれば、このような心配は無い。
・ 保護者からの納付金、大阪府からの助成金も振り込み現金であるから、「何時何時どこから幾ら入金する」とさえ頭に入れておけば大きな間違いは起こりようが無いのである。従って「現金のみが有効の学校会計はものすごい有り難い」ことなのである。
・ 私は「絶対に営利事業には手を出さない」「常に定期預金と普通口座預金の額」を把握している。これさえ見ておけば「経営には全くの不安はない」のである。そしてもう一つは「不正使い込みの防止」である。これは「細心の注意」が必要である。
・ 特に気をつけなければならないのは額の大きい「修学旅行などの生徒からの預かり金」である。理事長の「銀行印」を勝手に使われて出金されたらちょっと分かりにくくなる。従って「現金管理の学校がやるべきことは印鑑管理」なのである。
・ 私は着任して「全ての郵貯や銀行の貯金通帳を検地」し把握した。中には数代前の校長や事務長名義の通帳、中には教員名義があったりして、それも各位担当者が個人管理していたのである。「びっくり仰天」して顔が青ざめたのである。
・ 全ての通帳名義を出させ、私に変えて「実印は理事長管理」「通帳は事務長管理」としてダブルチェック体制にした。保護者名義のものは保護者にお返しした。特に運動部の保護者会の会計などである。「間違いの元」となる。
・ そして学校中の「金庫という金庫」を洗いざらいチェックし管理体制を一元化した。現金商売であるだけに「金庫の管理」は極めて重要である。大体学校には「時代物の大型金庫」が公立私立を問わずあるのはこのような理由からなのである。

・ 銀行からの借り入れもこの3年間では「すべて短期借り入れ」で、直ぐ「返済」出来るようにローンを組んでいる。言ってみればあくまで「キャッシュフロー第一主義」の経営を守っているのである。
・ お金が無ければ締めれば良いし、少し余裕が出てくれば環境の整備や生徒や教職員に還元することが「キャッシュ」であれば安心して行えるのである。とにかく一言で言えば学校というのは企業社会から見れば「理想的な現金商売の社会」なのである。

・ 次に大切なことは「現金の扱い」を教員に絶対にさせてはいけないことである。ボースカウトの主担当者を呼んで前理事長からご寄付頂いた10万円を「報告し了解を求めて」「学校で管理」することとした。これが「正しい管理の方法」である。
・ 私が着任するまでは「教員が現金を預かっていた場合もあった」みたいだが、私はそれを全面的に改めた。それに支払いも極力現金を扱わず「振込み」としている。そうすれば振込用紙がいざという場合の「証明の資料」となるからである。「手書きの領収書」などがまかり通っていたこともあったらしい。
・ 当時の事務室と教員団との間は必ずしも「良好な関係」とは言えず、お互いの「仕事に壁」があったと思う。だから夏のサマー学習合宿などは教員が生徒から直接お金を集めてそれを責任の先生が「腹巻に数百万円の現金」を入れて京都に行ったと聞いたこともある。
・ しかしそれも「今は遠い昔の話」である。少なくとも本校の現金の流れは「公明正大」で各口座の現金の流れと手許現金についてはそれぞれ管理者をしっかりと決め、事務長が管理している。
・ 私は全ての「出納」で「1円の狂いも許さない」としている。特に注意しなければならないのは「支払い」だけではなくて「収入」なのである。人間の心理として支出には気を使っているが「入ってくる収入」はぞんざいな扱いになるという点である。
・ どういうことが起きるかというと、バランスで「お金が余っている状態」、即ち「根拠不明のお金が存在すると言う事態」である。これは絶対にあってはならないと事務には厳命している。
・ 特に寄付金などはしっかりと記帳しておかないと「現金持込の寄付金」となったりすると前述したようなことにもなりかねない。入学式や卒業式などではご来賓のお方が「現金でお祝い金」を下さる。これが又ポイントである。
・ 頂いたとき、私は直ぐ事務長と事務長補佐を呼んで両名の前で手渡すようにしている。又「授業料の滞納分」は自動引き落としが出来ないから現金で学校の窓口に来られたり、当方が自宅の赴いて支払って頂いたりするからこれもポイントである。

・ ところで今年の専願入学者からの寄付金といえば「収受の状況が順調」だと報告があった。今年は特別に施設充実寄付金を「念入り」にお願いする作戦を立てて事務室が現在進めているのだが今年は昨年同時期と比べて約2倍のペースだという。
・ 事務長補佐がいささか興奮して言うには「個人で50万円というのもありました」とのことで、一口5万円で当方は「出来れば二口」と依頼文には書いているのだが10口もご寄付して頂いたお方がおられるのである。
・ 勿論礼状は出しているのだが私はそのお方のお名前を記録して入学式が済んだ後お会いしてお礼を直接申し上げるつもりである。本当に有り難い限りである。「新武道館、堺の校外グラウンドで大金が必要」であり、正直言って今はお金はあればあるほど有り難いのである。