2010年3月22日月曜日

3月22日(月)調整手当ての廃止







・ 3月10日のブログに「年間変形労働性」のことについて詳述した。中学、高校、事務と三つの職場はそれぞれに特徴がある。あって当然で、全く同じと言うのが逆に可笑しいのである。
・ 3年前にはとにかく「中学校は元気がなかった。」確かに生徒数は少なく、職員室も暗く、高校の影に隠れて「ひっそりと生きている」という感じであった。私は中学から「大改革を進めた」。
・ その基本的な思想は「中学の独立」であった。規模が小さく、元気がないと当然のことながら行事なども高校側に引っ張られるものである。私はそのために「教員の独立」を図ったのである。
・ 「亘り」あるいは「渡り」と言って高校教師が中学に教えにいくのであるが、これは「駄目」だと判断した。最もクラス数が一クラスであったから仕方の無い側面もあったのだが、生徒を増やす努力と並行して行った。
・ その結果3年経って「中学は生徒数120名規模まで成長」し、古いベテランの先生はすべて高校側に移し、「中学教員は比較的若い常勤講師の中から優秀な教員を専任教諭に採用」して当て嵌めて行ったのである。
・ 「人を変えることが学校文化を変える」最も効果的な方法である。公立中学の教諭を採用しすぐ教務部長にしたり、担任に当て嵌めたりしたのである。そしてとどのつまりが「関西大学グループ入り」を図ったのである。
・ 4月からは「関西大学連携浪速中学校」となる。高校は「浪速高校」のままだから完全に質的には異なることとなる。これを私は「第二の中学校創立」として「新たな浪速中学校」を若い世代の教員が作り上げてくれることを期待しているのである。
・ 今年4月採用の教員の中から5名の常勤講師を中学校所属とする積りである。すべて女性の先生である。今「女性が元気」だ。男性教師はもっと頑張って欲しい。内2名は国語の先生で教員経験はある。とにかく国語が大切である。後は英語1名、理科で1名、体育、家庭科で各1名で「すべて大学新卒」である。
・ そして4月からは「生徒生活指導部」も高校から独立して新設し、部長、副部長を作った。副部長などは女性で常勤講師から専任教諭になった瞬間に副部長だから如何に中学は「若いか」が分かろうというものだ。
・ 教務部も実態に合わせて「教務・進路指導部」とネーミングを変えることとした。これは兼ねてから私の持論であったがようやく浪速中学校で実現することとなる。高校と違って「教務と進路の合体」は意味あることだと確信している。
・ これで「中学所属教員はトータル18名で男女比率が9対9と拮抗」した。良いバランスである。「中学職員室は完全に雰囲気が変わって来る」だろう。教頭先生も替わる。私は教頭にお金を出すから「職員室を大改造」し、テレビではないが「ビフォアー・アフター」で見違えるような職員室にして欲しいと言っているのである。
・ 今の中学職員室は行く気にはなれない。こまごまとした小部屋があってまさに「コチョコチョ」しているのである。あれではのびのびとした中学校にはならない。関西大学連携浪速中学校は「初動が重要」である。「新しい文化」を18名の先生方で作って行って欲しい。

・ 話を「変形労働制」に戻そう。これだけ中学の独立を図れば中学と高校の違いが勤務時間に出てくるのは当たり前である。例えば現在の勤務開始時間は高校は8時25分であるが中学は朝テストの関係などから8時00分としている。
・ 従って中学、高校の合同会議、典型的な職員会議では終業時間が異なるのである。高校は17時10分から17時30分であるのに対して中学は大体16時45分であるからもし遅れれば中学には残業時間を支払わねばならないことになる。
・ 何時も時間を気にしているわけにはいかないから今まで私は「時間外手当を支払い」ながら公立教員と同じ趣旨の「3。5%程度の調整手当て」を支払って来た。しかし2年経って、この際「時至れり」と考え、「調整手当てを廃止」し、この財源を有効に活用することとした。
・ 4月からは私立高校もご家庭の所得によっては「授業料無償化」が始まる。この財源確保も必要である。この考えは3年前の着任時から「何時かはやる」と教職員には伝えており、彼らも理解してくれている筈である。
「もうぼつぼつ」と考え、調整手当ての廃止は何時も私の「ピストルのトリガー」に引っかかっていたのであるが、「遂に引き金を引いた」のである。「職員代表」に申し入れ理解と協力をお願いしたのである。画期的なことだと思う。
・ 「主任主事手当」「委員長手当」「担任手当て」も支払うようになって3年である。年間6万円から18万円まで「職位によって差」があるがこれも実は「みなし労働制のはしり」みたいなものである。公立では法令主事にだけ「日当たり200円」が支払われているが、月額5000円程度でにしかならない。本校は違う。
・ 本校みたいに「調整手当てを残し、時間外手当を支払い」、あまつさえ「公立の3倍もの主事手当」まで支払っている学校など何処にもなかったのではないか。教職員にはここは「抑えておいて欲しいポイント」である。
・ これらの背景には「本校の教職員の給与水準はラスパイレス指数から見ても決して他の私学と比べ高くない」との分析数値があるからである。今までは「支払える余力」があったから私は「調整手当」を維持してきたのである。「配慮してきた」のである。
・ しかしこれもカットせざるを得ない局面が22年度以降には出てくる。私は「自分の年俸を22年度から徐々に大幅にダウン」する。20%を超えるだろう。又管理職にも5.5%から6%程度「年俸を削減する」ことを既に通知した。「痛みは全員で分かち合う」のである。
・ とにかく「本年度の入学者数の決定とそのご家庭の家計状態」から「授業料無償化支援対象がどれくらいの数値になるのか」、「新武道館、堺多目的グラウンド、そして新校舎」と資金は今後幾らでも要るのである。「明日は運命の併願戻りが決定する日」である。心穏やかに受け止めたい。
・ 後5年、あと5年で全てが見えてくる。それまでは石にかじりついても頑張らねばならない。理解して付いてきて欲しいのである。全てが完成すれば「浪速の未来は磐石」となる。
・ 恐らく全国の高等学校で給与明細の中に「調整手当ての項目がなくなる」のは本校が初めてではないか。教職員の理解を得てすでに「労働基準監督署に給与規則の改定を届け出て受理」された。6月払い賃金から3.5%実質的な賃金ダウンである。
・ ただし一般企業では「定期昇給」を実施するかどうか今次春闘の最大のテーマであったが、本校は「定期昇給は実施」する。又常勤講師の調整手当て相当分の削減については他校に比べて相対的に低い講師料を鑑みて「現状維持」とすることとし既に通知している。
・ 今回の「調整手当て」問題は私の「喉に突き刺さったトゲ」みたいなものだったがこれで「すっきり」した。今後は「一律支給の時代とは終焉」を告げて「仕事をした人間に還元する」方式となる。社会では当たり前のことが本校では「形の上では完成」したことになる。