2009年4月4日土曜日

4月4日(土)脚組まぬ大統領

・ 3月21日の朝日新聞に目の留まった記事があった。ダマスカスからの特派員メモという囲み記事でタイトルは「足組まぬ大統領」というものである。こういう記事を読んで私は意を強くしたし「自分を省みる機会」を得るのだ。
・ 木立に囲まれたダマスカスの山中にある「シリア大統領の迎賓館」。ここではものものしいボディチェックや荷物検査もないそうだ。大統領との会見に訪れた一行を白い建物の入り口で迎えたのは「バシャール・アサド大統領」自身だったという。中東和平のキーパーソンとみなされている世界の指導者である。
・ 落ち着いた部屋でソファに据わって大統領は1時間あまり質問に答えたとあるが、この間スーツのひざのピーンとした折り目は緩むことはなく、「革靴の底が床から離れることはなかった」という。
・ 中東では「靴の裏を見せるのは相手への侮辱」だという。椅子に据わって足を組むと靴の裏が相手に見えかねない。ブッシュ前米国大統領がバクダッドで記者会見中にイラク人記者に靴を投げられたのは記憶に新しい。
・ 私はこの記事を読んで今更ながら「気をつけなければならない」と反省するのだ。企業出身だから上司や来客に接するときの「身だしなみや礼節」については身についていると思っているが「手抜き」になっていないかと我が身を振り返る。
・ もう随分前になるが管理職朝会で某管理職が応接セットの椅子で脚を組み背中を背もたれに寄せて会議に臨んだので厳しく注意したことがある。要は自分は管理職だ、理事長の側近だと勘違いしてそのような態度になったのだと思う。しかしこれはいわゆる「横柄な態度」である。校長と管理職の間はちょぼちょぼであるが理事長と管理職の間は大きい間隔がある。部下がその組織の最高責任者に臨む時の態度ではない。
・ 2年前着任してすぐ私がしたことは「来客の応接場所の選択」であった。それまで本校には応接場所などなかったので「特別会議室兼応接室」を設定した。進路指導の副部長などはお迎えする大学の先生や予備校などの来客者をお迎えするのにこれほど嬉しかったことないと理事長のした仕事で最も良かったと当時言ったのを今でも思い出している。それまでは職員室の片隅などで応対していたのだろう。
・ とにかく「来客者への応接態度」は極めて重要である。この時の印象で学校のイメージなどが悪い方へ固定されたら大変である。勿論電話応対も然りである。私は事務にもきつくこの点は指導しており今までのところ悪い話は聞かない。
・ 我々は店員の応対の悪いスーパーマーケットやデパートでは買い物などしないであろう。分かりやすく言えば相手に対して「靴の裏を見せるような態度」をとってはならないと言うことである。
・ アポイントを事前にとって来られるお客さまには特に礼を失してはならないと自戒する。アポなしで飛び込んでこられるお方には正直困惑するときもあるが、むげに追い返すようなことは出来ない。たとえ数分でもお会いするようにしている。
・ 私はアポを取って来られたお客様の前で脚など組んでいないか反省しなければならない。PTA会長とか身近な人にも砕けた感じで脚を組んでいないか反省するのだ。相手によって変化をつけることは良くないことである。
・ 教職員について考えてみる。しかしこれは全く問題ないというより本校は「立派」だと私は秘かに自慢している。皆さんTPOを心得てしっかりと対応されている。前からこの文化はどうしてなされたのだろうと思ってきたところだ。
・ 基本的に訓練されており又「センスの良い人」が多いのだと思う。それぞれの個性があり、私は何時も廊下などですれ違うたびに上から下まで瞬時に観察する。この辺はやはりベテラン教員が「落ち着いた服装」というかしっくりとしている。
・ しかし問題は身だしなみだけではなくて「応接態度」である。教員の場合は圧倒的に「保護者」に対してである。これには気を付けなければならない。喋る文言に一言一言気をつけなければならない。相手は「わが子可愛さ」で向かってきており、通常以上に感度が上がっている時に「不用意な一言」が思わぬ結果を招く。当然「塾関係者」にたいしても当然である。
・ 身づくろいを正して「誠意を持って」お話しすることだと思う。靴の裏を見せるようなことになってはならない。もう一つは外部のお方だ。特に教育旅行会社の担当者については「注意、注意」だ。
・ 彼らはほとんどすべての学校を訪問して知っている。「ああ、この学校の先生はこの程度か。レベルが低いな」などと決して彼らは口には出さないが心では「値踏み」をしている。このように思われてはならない。これも「誠意を持って対応」することだ。
・ 人間と言うのは悲しいもので、頭では分かっていてもついつい「不本意な行動をする動物」だと思う。丁度金融サミットがロンドンであり、各国首脳で駆け引きや二国間のトップ会談が連日テレビ報道されているが「超大国アメリカのオバマ大統領」は何時も長い脚を組んで映っている。シリアのアサド大統領とはえらい違いだ。
・ そういえば日本でもお客さんの前で「脚を前に投げ出す」のは「お行儀が悪い」と我々は親から厳しく教えられた。「正座」して足の裏を見えなくするのが最も礼儀正しい姿だと我々日本人も教えられてきたことに気付く。
・ 昨日保健体育科主催で「AED講習会」があったのだが進行役の分掌の部長は何時も校内ではジャージーにジャンパーであるが昨日はジャケットにネクタイで臨んでいた。「立派」であった。普段着では外部の講師に失礼だ。
・ 今朝部屋で会ったので「立派でした」と誉めたら「当たり前」と返されたのである。この教員はこの種のことは完全に身に付けている。概して体育科の先生は心得ていると思う。何故だろう。
・ とにかく人に脚の裏を見せてはならない。もって「自戒の言葉」としよう。今日は土曜日、新入生が登校して「6日の入学式」等の説明会等があったのだが、私は「多聞尚学館」に出かけ、4月12日の「パーティ」の設営で業者さんとの現地打ち合わせであった。とにかく「多聞に行くのが楽しい」。千早赤阪村、本当に良いところだ。事務長補佐も何時も「あそこに住みたい」と言う。