2009年4月6日月曜日

4月6日(月)21年度入学式

・ 快晴である。雲一点ない天気に恵まれ素晴らしい気候になった。何時もより少し早く学校に出かけた。校務員さんはすでに準備を着々としてくれている。神輿が二つ神社前に揃えられている。「本校の宝物」だ。
・ 入学式は卒業式に比べていささか「軽く」扱うのが学校文化だが私は違う考え方を有しており、「私学は入学式を大切にすべき」というスタンスだ。当たり前だと思う。私学は何より「入学者」であり、彼らの歓迎会こそ感謝を込めて行うべきと言う考えである。
・ 例年に比べて二日ほど早く「入学式」とした。昨年は午前中に入学式をして午後始業式としたのだが時程がしんどく、入学式を早めてこのような形にした初めての年度である。他校でも段々と入学式が早くなっている気配もある。当然の流れだろう。
・ 2月28日の卒業式から一ヶ月の間「様々なこと」があった。1年で最も忙しい時だった。入学者の数が確定し教員数が確定し、入学準備となるのだが学校法人としては「来年度予算」を決定するための「理事会・評議員会」なども「てんてこ舞い」と言ってよかろう。それに「多聞の改装」が大詰めだった。
・ 教職員は今恐らく5月の連休を楽しみにして頑張ってくれているのだと思う。5月の連休は年間カレンダーを組むときに少し「連続して休養が取れる」ように配慮している。そうでもしなければ「教員も持たない」と感じるようになってきている自分に気付く。
・ 8時30分生徒登校、ホームルームの後「中庭の学院神社前」に集合、9時から雅楽演奏の中で「神前奉告の儀」がある。本校独特のものだ。私は何時もこの光景を目の当たりにする新入生と新人の教員の「驚きというか」受け止めに思いを馳せる。このような学校は日本全国本校以外にあるまい。保護者も一緒にお参りする。
・ 終了後講堂へ移動だ。今度はブラスバンド部が生演奏で生徒の入ってくるのを歓迎する。昨年は講堂内で在校生が2台の「お神輿」で「ワッショイ、ワッショイ」と入学生を歓迎したものだが今年は神社前にした。とにかく神輿が大きくて出入りに困難をきたすからである。
・ 本校の入学式,卒業式は私は「日本一」と自負している。とにかく「雰囲気」がとても良いのだ。これは本校の「特記すべき事柄」である。国旗は壇上正面に掲げられ中学高校の校旗が並び、会場の周辺には「NANIWA」の幔幕が巡らされて雰囲気はいやがうえにも盛り上がる。
・ 事前段取りなど準備の責任者は新1年生の学年主任だ。初めての大役であるが今日まで見事にこなしている。経験がないからと当初は言っておられたが立派なものだ。この先生はとにかく「謙虚というか控えめ」でそこが良い。
・ 特に保護者の対応は天下一品と私は評価している。姿勢が謙虚、控えめということもあるが一つには「聞き上手」だろうと思っている。この聞き上手というのは素晴らしい資質で私などは見習わなければならない。
・ 今朝も部屋に来て「緊張しています、ゴチゴチです。」と言って来られたので「大丈夫ですよ、先生のそのお人柄が人気を呼びますよ」と私は言ってあげたのだ。散髪して口ひげも綺麗に揃えて一段と男振りが上がっていた。
・ 校長の式辞は卒業式がA4で4枚であったが入学式はA43枚とした。「短くパンチあるもの」にしたのである。本校に入ってくる生徒は「伸びきっていない。」従ってこれを「伸ばす」ことが我々の仕事である。学校は当然強制力を持って「引っ張って」行くが君たちは「この今を大切」に努力しなければならないと、少し厳しくメッセージを伝えたのである。
・ もう一つ大きな本校の入学式の特徴は担任紹介の後で分掌部長など幹部職員を生徒保護者に紹介することだ。公立では担任のみの紹介であったが、これも良いのではないかと思っている。
・ その後「在校生が部活動のユニフォーム」を着て会場前面に躍り出て数名のキャプテンが「歓迎の辞」を述べる。勿論「自治会長」が最初なのだが、この雰囲気がとても良い。私が歓迎の言葉を述べるよりは生徒にはこちらの方が良く耳に入ってくるだろう。
・ 一人の生徒が「自分も公立に失敗して浪速に来たが今ではそれで良かった」と感慨こめて喋っていたのを聞いた時には思わず目頭が熱くなったものだ。「公立なんか、目じゃない。本校のほうが良い、良かった」と早く併願者に思わせてやらねばならない。
・ 生徒が教室に退場した後、80インチのプロジェクターを用意して、まず私から「多聞尚学館の紹介」をした。PRかも知れないが保護者にとっても関心事であることは間違いない。特に目玉は「中学校の復習」を英語と数学でやることを伝えた。本校の新しい企画だ。保護者は真剣にうなずいて聞いてくれていた。誰一人席を立たない。手ごたえを感じながらの多聞尚学館特別寄付金のお願いをした。
・ その後PTA教育後援会から「教育後援会」のお話だ。卒業式は来賓挨拶とかあって時間がかかるが入学式は無いためこのタイミングを利用して「お願い」するのだ。私学であるから保護者の支援がないとやっていけないが本校は恵まれている。「理解のある保護者に恵まれている」だけに我々の責任は大きい。
・ 私はまだ解放されない。理数科とⅠ類の生徒と保護者を別室に集めて、早速の「特別講話」だ。言ったことは「池の側まで連れて行くが、水を飲むか飲まないかは君たちの選択と努力だ。」と。鍛えに鍛えて3年後が楽しみである。
・ 朝写真館のメンバーが部屋に挨拶に来て呉れたが今日も張り切って撮っておられた。新たに「ビデオ映写機」を購入したとかでこれで静止画と動画の「DVD卒業アルバム」が作成されることになる。この分野でも新しい時代の幕開けとなった。
・ 全てが終わった後私から全教職員に「慰労のメール」を送信した。今日の入学式は本当に「品が良くて静かな盛り上がり」を見せ、教職員が「自然体」で運んでくれたのが嬉しい。本当に立派な入学式であった。生徒も保護者も喜んでくれただろう。恐らくご家庭での今夜の夕食は楽しいものになったものと私は確信している。これが「私学のサービス」である。