全力学力テスト232万人
・ 第2回目の小学6年生と中学3年生を対象にした「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)が本日行われた。昨年43年振りに復活し、昨年に続いて2回目だ。結果は9月頃になるという。
・ 国公立は2年連続で不参加の犬山市を除く32067校すべてで実施したが、私学は53.5%しか参加しなかったという。数は475校だ。「うち一校が浪速中学校」である。しかし昨年が61.2%であったから私学は大きく参加校を減らした。「何故だろう?」。
・ 私は想像する。いわゆる進学校といわれるところと、言ってみればしんどい私学の差が出たのではないか。私立の進学校は「結果を誇れるし、学校のPRにもなる」が、しんどい私学は参加する意義は見出せない。「私の学校は低学力の生徒が集まる私学です」というわけにもいかないから。
・ 昨年は、結果の「地域間格差」が明確になり、大変なことになった。特に「大阪府」である。「全国ワースト2で府民に大きな衝撃」を与えたものだ。「低学力の大阪」を全国に発信された。橋下知事もびっくり仰天して「教育の大阪」と言ったりして。
・ 「私学の参加率低下の影響」も今後徐々に出てくるのではないか。その学校の保護者が「何ゆえうちの学校は参加しないのですか?」と保護者集会あたりで詰問されたりすれば校長は「ああいうテストは意味ありません。校内の試験で十分子どもの学力は測定できますから」なんて言ったりしてね。本心はもし結果が明らかになった時「そんなに低いのですか」「もっと教えてやってください」などと保護者に要求されたりするのを恐れたわけでもあるまいが。まあ生徒や保護者に衝撃を与えないように考えたのだろう。
・ しかし公立で唯一不参加の犬山市の市長と教育長はどういう人なんだろう。又犬山の市議会議員や市民はこれで良いのだろうか。全国すべての公立が参加しているのに参加しないのはまだ理由が良く分からない。
・ 「昨年の結果に身震いした大阪府教委」はすぐ文科省に教員加配に陳情したり、授業改善の為に教員研修など実施するように計画したが、それもすべて「橋下改革で白紙」に戻った。ある中学校長は「現場の力だけでは限界がある」と今回の結果に「諦め顔」だという。しかし現場の教員が少しくらいは頑張った筈だ。結果に期待しよう。
・ これに対して昨年トップの秋田県は「2年連続の1位は難しいかも知れないが、それなりの自信はある」と堂々というから大したもんだ。大阪と偉い違いだね。
・ 本校は中学教務部長がセンターとなって準備をしてきたが、「ここ数日顔色が冴えないくらい緊張している」。今日テストの途中で私は「試験中の3年生の様子を観察」に行ったが、教務部長は「心配で夜も寝られません」という。当たり前だ。こういうときに「グウグウ」眠れるのは余程の大物か無神経人間だろう。
・ 「教務部長とは常に生徒の学力の伸張と定着に責任」がある。だから「校内考査問題の責任者であり、時間割、授業時数、行事、教科書の選択などすべてに権限」がある。「教師にもの申す」権限は生指部長かそれ以上に大きい。私は教務部長は「学校の法務大臣か内閣の官房長官」と言っている。場合によっては鳩山法務大臣と同じで「死刑の執行」も覚悟しなければならないくらい責任が重い。
・ その教務部長が学習指導要領を逸脱したり、授業時数を減らすことばかり考えたり自習の多さを放置したりすると「学校はおしまいだ」。公立高校の教務部長というのは正直言って「すごい人材だ。」光っている。そうであればこそ大阪府の公立のトップ校は全国一の進学実績を上げている。
・ 浪速中学の教務部長は府立トップ校の出身者である。自分がそのようにして「恩恵を受けてきたことを忘れてはいけない」。今度は生徒に返さねばなるまい。私は今この教員を徹底的に鍛えている。 ポテンシャルは元々あるし、人間的にも良いところがあるのだが、もっともっとシャープでなくてはならない。頑張ってくれるだろう。