2008年2月7日木曜日

2月7日(木)寄附行為

1.寄附行為の意味
・ 「寄附行為」という一風変わった名前は当初分かりにくかった。寄附行為とは会社でいう「定款」に相当するもので、こういう名前になったのは学校法人の「財団性に由来」する。私立学校を設置する学校法人は民法根拠の財団性にプラスして「私立学校設置者に相応しい修正を加えたもの」であると言える。
・ 言い換えれば学校法人とは「私立学校設置を目的として私立学校法の定めるところにより設立される法人」をいい、原則として私立学校は学校法人のみ設置可能である。盲学校、聾学校、養護学校、幼稚園は学校法人以外でも設置可能としている。
・ 法人には公益を目的とした公益法人、営利を目的とした営利法人、そのどちらでもない中間法人とあり、勿論学校法人は公益法人である。公益社団法人と公益財団法人は民法の適用を受け、宗教法人は宗教法人法、社会福祉法人は社会福祉法が根拠法であり、前術したように「私立学校は私立学校法を根拠として、まず「寄附行為」の根本規則」があるのである。
・ 前述したように寄附行為の言葉は元々は民法の財団規定から来た言葉で、「寄附された財産を運用するための規則」と理解すれば分かり易い。従って「寄附行為は国の憲法にも比すべき学校法人の根本規則」であると書いている書物もある。
・ 私立学校設立の根源はまず所轄庁により「寄附行為が認可」されなければならない。認可されて「設立の登記」を行い、ようやく「学校法人が成立」するのである。そのようにして学校法人大阪国学院は設置されたのである。
2.寄附行為の効力
 ・ 本校でも内部で多くの規則、例えば就業規則他を定めているが寄附行為に違反している規定はまったくその効力を有しないほど「最重要・最高位の法的規定」でこの「変更には所轄庁の認可を必要」とする。
・ 即ち学校法人の運営には寄附行為に基づいてなされなければならない。まず「管理機関の規定」が最重要である。法人を管理する規定である。まず「理事の選任が必要で最低5名以上」と私立学校法は規定している。そして理事の中から法人を代表しその「業務を総理する理事長の選任」となる。
・ 私の場合で言えば昨年の12月22日の理事会でまず理事に選任され、その後に理事会において理事長に選任されるという手続きであった。次に重要な職位は「監事」で財産の状況や業務監査をする常置しなければならない機関である。法的に2名以上となっている。
・ 次に「評議員会」がある。いわば理事会の「お目付け役」みたいなもので、重要な財産の処分などはあらかじめ「評議員会の意見を聞く」ことが求められている。理事の定数の2倍超えで組織される。
・ 昨年大阪府でも近隣の某私学で理事長が理事会や評議員会を無視して土地の購入や裏金による政治献金など大きな社会問題となったが、新聞報道には「寄附行為の違反」として所管庁(大阪府知事)から指導処分がなされたことは記憶に新しい。
3.本校での寄附行為の改訂
 ・昨年来、学校改革を進めるに当たって機動的・機能的な理事会、監事、評議員会を目指して「学校法人大阪国学院寄附行為の改正」を行った。初めての本格的な改正であった。大阪府の指導を受けながらようやく平成19年11月12日、1昨日まで府知事であった「齋藤房江知事の認可」を頂いたのである。
・ 理事数は11名から7名に、監事が3名から2名へ、評議員は49名から33名へと「スリム化」した。理事と監事は改選しすでに新体制でスタートしているが、今回「評議員の改選」をすべく本日「大阪府神社庁で各支部長」にご参集頂き、学校経営の状況を説明し、新評議員の推薦をお願いした。
・ 2月末までに24名の評議員を推薦頂き、3月の予算理事会にて正式決定の運びとなる。任期は4月1日から3年間である。立派なお方が神社庁からご推薦されることを期待している。
4.府内私立高等学校志願者数最終発表
 ・今朝の各紙、「出願状況」を大きく報道している。先の中間発表と大体同じ数値だ。産経は「浪速」の名前を載せてくれている。専願、併願合わせて7万815人(対昨年比962人増)で「平均競争率は3.17倍、専願率は22.81%と過去最低と成った」。
 ・専願率は平成3年の37.7%をピークに低下の傾向は変わらず、「昨年の公立の学区再編で公立の選択の幅が拡大し不景気の影響もあるのか、私学を敬遠する傾向があるのか」と私立中高連は分析している。
・ 一方で専願者だけで外部募集人員を超える学校は8校から10校に拡大しており、学校別で倍率の高い順は追い追手門学院6.9倍、大阪高校6.57倍、浪速高校5.81倍、男子校は興国の4.16倍、女子高では四天王寺野3.96倍とある。
・ 完全に「人気格差が広がっている傾向も浮き彫り」になったと記事にはある。入試は2月9日に府下一斉に行われる。本校でも準備万端整ったが天気予報では芳しくないと実務責任者の教務部長は心配している。
・ 何しろ「2121名もの生徒」が集まる。明日から机の並び替えや受験番号別会場の整備など総出で準備に入ることにある。手が足りないから連絡係で生徒のアルバイトも手配した。なんと100名だ。何とか無事に試験が終了することを祈るばかりである。