卒業式
・ 学校というものの「良い部分の凝縮したものは卒業式に現れる」と私は思っている。
今日卒業した408名の生徒はそれぞれ、嬉しい思い、悲しい記憶、憤懣、感激、後悔、希望 等々とにかく様々な思いがこの日に複雑に絡み合っているのだろう。しかし今日、それらがすべてよい方向に「昇華」する。卒業式とはそういうものだと思う。
・お世話になった先生、好きな先生、嫌いな先生、部活動で忘れられない思い出を作ってくれた先生、さっぱり分からなかった教科とその先生、何時も同じことを言う先生、教師に対しても様々な思いを生徒は持って去っていくのだろう。「加齢でそれらはすべて良い思い出」になっていく。
・ 保護者も保護者なりに成長したわが子を目の当たりにして、生まれてきて以来の「わが子の全て」を思い出すのでないか。大きく成長した我が子を見て特に母親は「感激」以外のなにものでもなかろう。卒業式に出席している母親の顔は紅潮し恍惚としている。気持ちは分かる。
・ 先生は先生なりに「卒業式でどのような気持ちを持つのであろうか」おそらく「ホッと」した「安心した」「世話をかけた生徒」「可愛かった生徒「ものすごく勉強が出来た生徒」「教えても、教えても分からなかった生徒」先生もそれぞれの思いがあるのだろう。これがあるから「教師は辞められあいというのは本当のことだと思う。」
・ 私にとって初めての本校での卒業式、本校にとっては共学にして初めて女生徒を送り出す卒業式であった、感激、感動だ。このような気持ちになるのは企業時代には味わえない気持ちだ。これがあるから「学校の仕事は辞められない」といっても良いくらいだ。
・ 手前味噌な気もするが「素晴らしい式」であった。職員室の話題は近年無い明るい雰囲気の式だったという。何が素晴らしいかといえば何もかもだ。式の段取り、会場の雰囲気、生徒の感じ、送辞、答辞全てだ。
・ それに何と言っても「教職員が一体になって分担し遂行してくれているところが嬉しい」。チームワークが大変良いのだ。新しい趣向もあり、それが式に彩を与えた。保護者から花束の贈呈があり学年団は大変喜んでいた。
・ 「66名の女生徒には3年前、良くぞ浪速に入学してくれて有難う」と言った。君らのお蔭でその後共学は順調に推移し本年度の女子志願者は900名にもなったと感謝した。女生徒の扱いになれていない我々であったがこのようにして無事卒業させることが出来て特に嬉しい。
・ この学年の主任先生は「O先生でお人柄が素晴らしく」、最後の保護者へのご挨拶も素晴らしいものだった。二人の専任の女性教員は初めての卒業生で「羽織袴」姿で生徒を送ってくれた。大変良く似合っていた。
・ 肝心の「校長の式辞」であるが「満足」である。思いは伝えることができた。話している途中に「バックグラウンドミュージック」が流れた。この学年の校長講話時に使った曲で、それが流れ始めたときに生徒は驚いている様子だった。式が終わって3名の女生徒が校長室に入ってきてそれぞれツーショットを撮らされた時に「先生、あの曲好いね」といってくれた。
・ 新校歌「我ら浪速」の「作詞作曲歌の西浦達夫」さんは結局北海道から間に合わなかったが遅れてきて生徒の各クラスを廻って歌ったそうだ。かえって「大うけ」したという。それにしてもブラスバンド部、上手くなったものだ。1年で此処までくるのだ。
・ 式終了後ホームルームがあり、12時30分から職員室で3年生担任団が全教職員に挨拶というか報告というか、一同勢ぞろいしてそれを「みんなで拍手し慰労」する。その後担任団は難波で打ち上げという。副校長先生が出席されるそうだ。
・ さあ、次は3月15日の中学校の卒業式、その後は3月24日の併願者の入学手続き、その後4月8日入学式と続く。年度末は本当に忙しいが「嬉しい忙しさ」であり、蓄積疲労とはならないところが嬉しい。
・ 広報情報委員会がホームページに校長式辞を載せてくれるだろうが、「思いは伝えることができた」と思う。