1.研修誌「浪速の教育」全面改定
・ 本校には「浪速の教育」として立派な研修誌がある。1人の図書研修部員の先生が中心になってまとめているものだ。経緯も明らかで21年前の「昭和62年の5月が創刊号」である。当時のI校長先生が始められたもので今年で第21号になり、題字もその先生の揮毫になるものだ。
・ 創刊号を読むと「浪速全盛時代の息吹」を感じることが出来る。編集後記には発刊の主旨として「紀要とまで形式ばらなくとも機関紙・雑誌的なものを刊行し、教育の中身の充実にむけて本校の教育研究、教育実践等諸活動を記録を蓄積し全体の財産にしていく」とある。気宇壮大であり大変結構である。
・ しかし当時の研修部のメンバーも鬼籍に入った方もおられ、委員10名のうち、本年4月以降3名の先生しか学校にはもう居られない。21年の年月を感じる。内容はこの種の物に共通するのであるが「すべて創刊」に似てしまう」。即ち創刊号の枠を超えてこないのが普通となる。此処が問題だ。「段々、良く鳴らないのだ」。
・ 「研修誌」とあるように元々教員の1年間の研修した成果の代表的なものを管理職が精査し、4ないし5つの論文というかレポートをピックアップし、掲載して後世に残すとしたらしが、どうも観察するに「マンネリ」に陥ってきていると観た。「もう少し時代背景やその年の教育活動や成果を細かく歴史に残さなければならない」と感じた。
・ 法人が実は事務も含めて各教職員に年間4万円、「研修費用」を出し、その成果を問うというものらしいが、全員一律に4万円を支給するというのも、今日的ではなかろう。「研修費名目の給与の一部」ととられるとまずいことになる。事務室など論文を出した跡さえ見当たらない。
・ 昨年3月末に全員から教頭に「提出」された研修レポートをすべて読んだが、「ウーン」と唸るようなものもあるのである。これが「1年かけて学校の教員がまとめた「レポート」か」?という訳だ。
・ 勿論、中には社会科の先生のレポートで「大塩平八郎の乱」の時代背景と考証を専門的に著述しているのがあったり、国語の先生の「越前竹人形イメージからの考察」とかあって悪くはないのだが、もっとその年度にあった「直接的な教育活動と成果分析」などを記録に残さなければならない。
・ 特にこれから浪速100年に向かって今教育界は最も重要かつ厳しい時代であり、「後世に伝える歴史書を整備するのが今に生きる我々の責務」と考えるのである。元来研修は費用が出ようが出まいが教員がやるべき最も大切なことで、殊更特定の人たちのレポートを載せるだけでは駄目だ。今最も必要なことは「足跡」を残すことだ。
・ そうすれば90年誌や100年誌などはすぐ出来る。そういうわけで「全面的に「浪速の教育」を改定」することとした。当初は研修費の4万円は廃止と考えたが、これは研修を奨励する立場としては矛盾すると考え、継続とした。
・ 取り上げるのでなくて年間賞与の定額分として賞与一時金に組み込んだ。決して無くしたわけではない。言ってみれば「特定道路財源を一般財源に変更」しただけのことである。加えて全員に義務としての「レポート提出は廃止」とした。即ち「色をつける」ことを止めたのである。今年からはレポートの提出は義務とはしなかった。
・ 新しい校報は図書研修部の担当、「浪速の教育」の言葉も変え、中身も思い切って記録重点にし、研修は研修として別途まとめれば良いと考えている。既に私から副校長、教務部長、図書研修部長等に趣旨は説明し賛同を得ている。敢えて「本誌の発表会などは不要」である。
・ 少し他校の調査もしたら良い。ある例では卒業式の校長式辞、生徒の答辞、在校生送辞、などすべて公式なものは残しているのもあった。個人の研究事例など記載しているようなものはない。
2.研修会
・ 研修会は特に力を入れてやりたい。今までは年3回、6月、秋頃(随時)、12月ということだが本年から既に移行しつつ見直している。8月夏季研修会、3月年度末研修会と「定例研修会は年2回」にする。後は随時だ。8月に実施したが概して良いものだった。
・ 浪速の12月年末研修会は、有ること自体は評価できる。まず校長が「基調講演」と称して、これも仰々しい言い方であるが、「特定のテーマ」に関して「提議」し、それを「分科会」に分かれて議論し、その結果を代表者が報告するというものだが、「変化の激しいスピードの要求される時代に少しまどろっこしい」。
・ それに校長の基調講演などは「理念」だけでは駄目だ。何をどのようにしたいのか、到達レベルは何処までを要求するのか、教員に何を求めるのか、組織の長として明確にしなければならない。
・ 給料の高い教員が半日全員が集まって討議するなら「何かを具体的に決めない会議や研修会などは意味がない」。各人の勉強会に終わってはいては駄目だ。法定福利費を入れると一人年間1000万円とすると、教員の1時間あたりのコストは一人5000円になる。それが100人だから相当なものだ。
・ 定例8月研修会は4月から8月までの外部研修会出席報告会、プロジェクト報告、随時のテーマ議論などとし、3月はこれらに加えてその年採用の専任教諭の1年間研修のレポートの発表だ。これは重要だ。これで1年間の試用期間が終わる。
3.データの残し方
・ 重要なことは新たな視点として「デジタルに記録を残す」ということだ。それを浪速のイントラネット上にデータとして保存しておけば「何時でも誰でも閲覧」出来る。この方にも力を注がなければならない。広報情報委員会の力を借りねばなるまい。
・ 現在「浪速の教育」の印刷代は200冊で50万円で大した金額ではないが、何時まで製本でやるのか。「デジタル状態で記憶装置に残せば良いではないか」。必要時に個人が必要なページをプリンターで印刷すれば良いのではないか。大切なことはデータを残すということだ。又DVD一枚で相当なデータが残せる。勿論「貴重な映像」も残さねばなるまい。今の研修誌には映像が少なすぎる。
・ 確かに冊子が手元にあれば、すぐ開けて便利かもしれないが、200冊も印刷して誰が年に何回この冊子を手にとって開くというのか。観察していたが余りそういう光景を見た事はない。いずれにしても時代は21世紀だ。「やり方、考え方を変えようよ、先生方!」
・ 製本ソフトを図書研修部に与え、ネット上に研修誌が「BOOKの形」で保存するのは難しい話ではあるまい。そのために「各人には個人パソコンを貸与」しているのだ。各人のデータをネット上で集め「製本の形」とする。それが「浪速の足跡」だ。
・ 対外秘として扱うことで従来整理して残っていなかった「生徒指導」「不登校」「進学実績」「行事分析」等々ジャンル別に簡単に整理できよう。学年、分掌、当然事務もデータを出して貰う。是非図書研修部は頑張って欲しい。今年分は無理だから来年が創刊号だ。