2007私学人研後期総会出席
・ 14時から私学会館で行われた総会に出席。今回、本校が義務教育部会第2支部の「幹事校」にあたり私が「幹事校長」、I教諭が「代表推進委員」となり、そのために初めて私学関係のこのような会合に出席したもの。
・ 総勢214名の出席者と発表があり、席のない満杯状態であった。私学会館、幾分狭い。皆さん熱心であり、丁度府立高校には「府立人研」というのがあったが、その私学版だ。来賓として私学課から参事が出席されていた。
・ 印象としては「大変よくやっておられる」という感じがした。「資料のまとまり」もよく時にはこのような会合に出て「じっくりと静かに考えるときも必要」だ。冒頭は先般NHKのクローズアップ現代で注目された「ケータイが生む新たないじめ」を30分視聴覚学習としてみた後、総会に入る。
・ 総会はT会長先生のご挨拶で始まる。立派な先生である。印象に残ったのは「携帯」と「ケータイ」は今や「異なる概念」になってきておりケータイはネット社会の一つの端末でもはや連絡を取り合う携帯式電話ではないということ。「なるほど」。
・ 続いて私学課参事は私学課へのクレーム電話について140件程度うち100件は保護者からで多いのがやはり「いじめ」「体罰」「セクハラ」というもの。電話があった場合は「学校長に言って対応してください」を主体にしてお話をするのであるが、「初期対応のまずさ」と「担任の配慮」で穏便に済むようなものも多いとの話。
・ そしていじめについては「人権の枠を超えて生指との連携」が重要で、最近では人権と進路指導との連携を再確認しなければならない事案が出てきているとのことだった。即ち就職面接で関係もない家族関係や親の職業など聞かれたりする事例があったりするのはいまだ学習経験の浅い新人教諭への指導なども議論になってきているらしい。
・ 本校としては圧倒的に大学進学を考えている生徒が多いが、AOとか推薦入試の面接もあり進路指導部への情報提供を考えたい。「生指との連携は今回新しく生指、人権担当の教頭を新設」したこともあり、「わが意を得たり」だ。当然だと思う。
・ その後事業計画の説明があり拍手で承認された。次に新幹事の紹介があり、会場の前に出て挨拶だ。場所も私の立つ位置は偶然真ん真ん中で、皆さんの視線を浴びながら挨拶するのも照れくさいし恥ずかしい感じがした。久方ぶりに大勢の前に立った。
・ 総会の後、今度は私学人権教育研究会の電話相談にかかってきた内容の分析報告があった。プレゼンターの巧みさが光ったが、内容は深刻なものであり、4月以来電話での相談件数は121件、内容は不登校、いじめ、教師によるパワハラ、生指上のトラブル、生徒間のトラブルと続く。
・ 教師によるパワハラとは恐れ入ったが、生徒への無視、プリントを呉れない、質問に答えない、等だとのこと。最近は生徒や保護者の方から「人権問題だ」などと主張するそうである。
・ いずれもやはり「初期対応のまずさ」が事態をより深刻にしているとかで、「担任のちょっとした持って行き方」で簡単に解決する内容が多いと強調されていた。この先生の話し、中々面白そうだし、本校の生徒向け講演会などに招聘したらどうかと思った。
・ いじめの定義が時々議論になるという話が出たがこれは私のブログ2月3日に記述しているが、いじめは主観的な概念であり、文部省の定義は「自分より弱いものに対して一方的に身体的、心理的な攻撃を加え、相手が深刻な苦痛を感じているものであって、学校としてその事実を確認しているもの」であると昔は定義していたが、実はこの定義が問題となり、「学校が確認していようがいまいが、いじめと感じたものはまずいじめとして捉える」ようになってきており、これには様々な問題があろうが今、今日的定義をどうこう言っても始まらない。
・ さて来年度は「いじめの撲滅」に全教職員と一丸となって向かって頑張って行きたいと考えている。そのためにはやはり「担任の目、感性」が重要となってこよう。「眼光紙背に達する」だ。
・ 担任の凝視で「早期の把握」と「初期対応」が可能となる。上手くやってもらわねばならない。担任には厳しい時代だが理事長・校長は「分かっている」から、自信を持って頑張って欲しい。担任をして始めて教師の喜びに一歩近づくはずだ。苦労もあるが喜びも大きい。今日の研修会での私の結論である。