某教諭の結婚披露宴参列
・ 本校勤務の男性教諭の結婚披露宴に招かれて参列した。本校のOBでもある。場所は岸和田市のホール、すでに京都の平安神宮で神前結婚式は済まされている。参列者は多く大変立派な披露宴であった。
・ 新郎の家は極めて由緒ある神社であり、岸和田の人なら何方もご存知だと思うし、名前の姓が町名であり、神社名であるのだが、「どうして自分の神社で式をして、ご先祖に神前奉告しないのだろう」と隣の席の副校長と話をしたが、いろいろあるのかも知れない。ちなみに新婦のご実家は京都である。
・ 新郎新婦は知的な美男美女で本当にお似合いのカップル、ともに「教職を職業」にする。新郎は英語、新婦は数学で、その昔、といってもそんなに昔ではないらしいが、本校で講師のご経験があり、その時に司会者が2~3回使っていた言葉「運命の出会い」があったのだという。
・ 私は「主賓」として最初に「ご祝辞」だ。もう結婚式の仲人や主賓は何回務めたか分からないくらい多いが、何時も結婚式における最初のご挨拶は緊張する。本校に勤務して以来、これで2回目だ。1年で2回だから相当な頻度であろうか。
・ 前の学校では4年間で結婚式への参列は無かった。招待が無かったというのではなくて式そのものが無かったのだ。「何でそのようなことが分かるのか?」と聞かれたら以下のように答える。「家族台帳や扶養家族の申請、公式お祝い金など、校長は印鑑を押すから分かるのです。結婚とは逆の「離婚」のときもすぐ分かります。もっとも個人情報ですから校長と事務の担当しか知りえませんが。
・ 結婚式が多いのは、私学はいささか平均年齢が公立に比べて若いということではない。専任教職員の平均年齢はいずれも47~48才台だ。若い常勤講師の先生が多いということではないか。公立に比べて圧倒的に多い。公立は2ないし3名くらいが平均だが私学は桁が違う。「本校でも30人近い常勤講師の先生」がいる。
・ さて、私以外に仕事の関係が深い教員が多く招かれていた。招待客を見ることで新郎新婦の交友関係も想定できる。男性教員は皆さん、式服に慶事用ネクタイ、「ビッシ」と決まっている。本校の男性教員は「おしゃれ」の人が多く、本当に決まっている。
・ 私は「差別化」で最近はネクタイではなくて「ウイングカラーに蝶ネクタイ」にしている。今日は近鉄であつらえた新品のシャツで色を白ではなくて薄いピンク色にした。招待側であれば色シャツは使えないものであるが被招待側であれば「問題なし」とデパートの専門家は言う。
・ 人生も第4コーナーに差し掛かり、年を取ってくると様々なスタイルをしたくなる。亡くなった父親は晩年勤務先にも蝶ネクタイをして行っていたように思いだす。大正生まれの男性はそのような気風があったのかな。その血を引いているのかも知れない。
・ 女性教諭がお二人が招かれていたが、今日はお着物ではなくて洋服であった。「なぜ今日というのか」のご質問には以下のように答える。「この前の卒業式はお二人とも着物に袴だったから」。クラブの指導も同じクラブで教科も英語で、何時も二人ずれだから、ついついそう思ってしまうのだ。深い意味はない。
・ この二人の女性教員は新郎の英語科の仲間という立場での参列かと思っていたら、どうもそれだけではないらしい。新婦が本校にご勤務時代に仲が良く、ともに旅行に行ったくらいの仲という。「なるほど。」
・ しかし驚いたのは、別に驚くことではなく、私が驚いただけであるのだが、「多くの常勤講師の先生が出席」されていたことだ。まず最初に受付はすべて常勤講師の先生が務められていた。受け付けを常勤講師の先生がしていたかといって驚くことではないが・・・。
・ 実はこれらほとんどの先生があと1日、即ち「3月31日で本校との契約が切れる」ことだ。もう大きな行事も無いため、すでに学校には来られていない人が多い。彼らはすべて新郎新婦と「同期の桜」だと副校長は言う。
・ 新郎新婦は晴れてこの1月に専任教諭になり、結婚式を挙げて友人に披露する。参列の常勤講師の先生方は「本校とのご縁」で4月以降は他校で勤務される。「友情は素晴らしく」、この「晴れやかな舞台で職場の離別を確認」することに、何か「人生」を感じて「理事長として複雑なもの」を些か感じたことを驚きと表現したのである。
・ 本年度の採用人事を一手に引き受けて執行した「副校長先生も同じような気持ち」だったらしく、何時もに比べてお酒のピッチが上がっておられたなー。今日は隣り合わせの二人でさしつさされつ、どうでも良いような話をしていた。「人事責任者として私以上に副校長は思うところがあるのかも知れない」。
・ お別れになる常勤講師の先生方は本校へのご貢献は大きく、感謝以外の言葉はない。たまたま本校には本校の事情があり、「ご縁がなかった」と思うだけだ。どうか常勤講師の先生方、新しい勤務先で持ち前の能力を発揮され、頑張って頂きたいと念願するばかりだ。きっと新しい学校は先生方を更に輝かせるものだと思う。「健康に気をつけて頑張ってください。本校へのご貢献有難うございました」。
・ 最後に新郎に「この1年、何が我が身に起きたのか!」「誰のお蔭で今日の自分があるのか!」ご両親、友人、同僚他、多くの方がたへの感謝、今後何を気を付けていかねばならないのか、気配り、心配り、謙虚に勉強し続けることを忘れてはならないと主賓の祝辞に加えて強調しておいたことを忘れてはならない。