2008年5月15日木曜日

5月15日(木)前任者の責任を考える

前任者の責任を考える
・ 今朝の朝刊各紙にもまたまた橋下知事の言動が詳細報道されている。各社見出しはそれぞれであるが「過去の職員からの寄付を要求する」というものだ。どうも「退職金を5%減額」する提案の余波が本人自身にあったのかと思える。気にしているのだな。
・ 退職手当の減額は当該年度の職員だけに負担を強いることになり厳しい。「運が悪かった」のか、「仕方のない側面」もあるのか、よく分からないが、全国でも珍しいケースである。団塊世代の大量退職で今年度だけで1110億円見込まれており、5%と言えば50億となり「実弾」だからこれは大きい。
・ 本校では今年3月末大量退職者を出したがそれは、「早期退職割増金」と「20年度以降退職金を削らざるをえません」といったアナウンスが効いて、「希望者が殺到」したのであるが、橋本さんと違って、私などは「神様、仏様」の筈だ。割増金の用意に金策で走り回って用意した。(それほどでもないけど)この5月20日頃退職者に振り込まれるはずだ。2人のやり方の違いを考えて欲しい。
・ 要は現在の大阪府の「財政危機の責任は誰にあるのか」という問題だ。歴代の知事や副知事、職員に「退職金の中から寄付金の形」でいくばくか寄付して「今の職員の苦境を幾らかでも助けようとする意気込みガあっても良いではないか」と知事は考えた。
・ 確かに人件費を大幅にカットし、退職金まで手をつけるとなると「その気持ちは分かるような気がする。」ところが一般職員まで対象にするのは如何なものか。幹部、管理職だけで良いのではないかという気もするが、民間と公務員は異なるのかな。
・ 遡って責任を追及する方法は一般の社会では「当たり前」で「会長、社長が経営責任を問われて退職金なし」という例は多いし、時には「個人資産の提供」も求められることがある。しかし多くは「法令違反」とか「無担保融資」とかぎりぎりの線が主体で通常のケースではあり得ないし一般社員まで巻き添えにするなんてことはない。
・ 役人の場合は「無作為の責任」だろう。しかし首長は選挙で府民が選んだ訳だから、難しいところはあるよね。大量得票で横山ノックさんを選び、太田房江さんを選び、大阪の首長にしたわけだから、構造としては知事から「多くの府民に選ばれた知事です。私の言うことを聞いてください」となれば府の職員は「羊」にならざるを得ないところもあるかもしれない。それが「役人」というものだ。
・ この知事は言う。「本当はもっと早めに広く薄く、皆で負担しておかねばならなかった。それをやらなかったから、今の職員のところにドーンと来てる訳で、現職の人たちが全て一気にかぶらないといけないのは納得できない。過去の職員のみなさんにも寄付でもしてもらいたい。」全くその通りだ。
・ 確かに「失われた8年」と言われる前太田知事の退職金は2期8年で8352万円であったというから橋下知事の気持ちは分からないでもない。勿論法的には「損害賠償請求」とはならないから「寄付」という言葉を使っている。
・ 1年前、学校改革に着手した時に持ち時間、諸手当など組合に申し入れた時には「歴代の理事者側や管理職が何もせず、残った我々が痛みを負うのは納得できない。退職金をがっぽり貰って今は知らぬ顔の権ベーの人たちから、少しでも取り戻すことは出来ないのですか」と泣きつかれたものだ。当然の感覚だ。
・ 実は平成19年3月31日で退職する管理職に、今の橋下さんと同じように退職金から「寄付金」を考えて欲しいと組合から言われなくとも私は動いていた。さー、何回頼んだことだろう。目安の金額まで提示したものだ。
しかし結局この2人の管理職は満額の退職金を貰って1円も寄付せず去って行った。以来学校には顔を出さない。まあ、出せないわな。
・ 管理職とは言ったが「理事者も退職金を出せ」とはさすがに組合は言わなかった。当たり前だ。「月度の給料も貰わず、1円の退職金も要求せず、どちらかと言えば寄付ばかりして」いたのが実情だから言いようがない。大阪国学院は特殊な学校法人である。当時の理事11名には内部理事を除いて1円の役員報酬さえなかったのである。
・ 学校の80周年と言えば大口の寄付をしてくれ、浪速改革では正門の更新などの都合500万円ポンと寄付して頂いた。今後定期的に援助も考えていると言って頂いている。浪速の理事者はそのようなまさにご奇特な役員である。
・ 私は「仕事のプロ」である。「無報酬などとんでもない」。その代わり「浪速を再生させます」と「マニフェストを明らか」にして取り組んだ。理事長報酬を受け取る役員は私が85年歴史で初めてではないか。私がいる限り、校内理事など不要である。だから「専務理事も校長も私が兼務」している。私一人で十分で、居れば逆に邪魔になるくらいだ。
・ 経営の実態は最後の局面では少し形が変わったが、長い間、「名目だけの理事長」で実質は「校長以下の管理職」が「経営も運営も執行」していた学校だ。ここ「15年の管理職全てに責任」がある。彼らには損害賠償を要求したいくらいだ。
・ 結局今の大阪府と同じことが起きていたのである。それを橋下徹という男が府庁に乗り込んできて、初めて全てを明らかにされつつあるということではないか。基本構造は同じなのである。「赤信号、皆で亘れば怖くない」であったが、「一人の縄文人が出現」して「大騒ぎ」になっているというところだろう。
・ 大阪市の関前市長は退職金を全額寄付した。太田知事や歴代の少なくとも部局長以上の管理職が「どう出るか、どうコメントするか」興味あるところである。今朝の管理職朝会で私は言った。「管理職とはそういうものだ。」経営執行の責任はある。「覚悟して仕事をして欲しい」と。
・ 今日は「5月度の給料日」だ。4月には「臨時賞与」を出すことが出来たが、「将来を確実にするまでの辛抱」である。「頑張って欲しい」と思うばかりだ。私を中心とした管理職が全責任を持って新経営計画の達成に邁進する。安心して付いて来て欲しいと思う。