中学校修学旅行その2:屋久島
・ 昨夜に話が戻る。夕食後8時から貸し切りの大風呂。興味があって生徒と一緒に入る。さすが男子中学最後の学年だ。「仲が大変良い」。担任のN先生に言わせると「最初は喧嘩とか色々ありましたが」としみじみ話しておられた。
・ 大浴場なのだが、ふざけあって水掛遊びなどしている。副校長に言わせると昨年よりも「些かおぼこっぽい」と言っていた。おぼこは女子にいう言葉だろうが「よく分かる」ような気がする。風呂の中でも前など隠さない。おおっぴろげだ。大人の象徴もまだハエソッロテいない。中学3年生は大人と子供の丁度中間地点になるのか。
・ 風呂上りで又一騒動だ。一つの部屋で「ゴキブリ」が出たと言って大騒ぎしている。「亜熱帯」の気候だし海の側だ。それにホテルも建築後相当時間が経っている感じだ。ゴキブリの一匹二匹は出るよと先生が言っていたが「怖い、怖い」と言っている。一人の生徒が紙を掴んで追い掛け回していた。
・ 「 朝食はバイキング」、生徒には好評のようだった。パンもご飯も両方手にしている生徒が目立った。牛乳を何倍も飲む生徒もいたりして今朝は幾分元気に見える。指宿港から8時30分高速船で屋久島宮之浦港まで約1時間、時速80キロというからあっという間に屋久島到着。この船の名前が「トッピー」という。由来は分からない。「縄文号」くらいの方が分かり易いのに。
・ すぐ迎えのバスに乗り南下だ。今日の宿泊場所「安房」(あんぼう)を通り過ぎて大きな滝のある「千尋の滝」に向かう。約1時間である。途中雨が降ったり晴れ間がのぞいたり忙しい「洋上の島」が屋久島である。町の名は屋久町である。
・ 地形は丸く勿論「世界遺産の島」であり、目玉は「屋久杉」であるのだが、バスのガイドさんは「屋久しゃくなげ」の宣伝に相当の時間をかけておられた。それにポンカンとタンカンという果物のPRにも熱心であったな。ちょっと意外であった。林芙美子はここの安房旅館に逗留し小説「浮雲」を執筆したとのことであった。
・ 3時間で597ミリという豪雨の記録があり「雨の島」だ。バスのガイドさんは今日も又若く大人しい感じのガイドさんだ。ゆっくりと説明される。「屋久島は人が2万で猿2万、鹿で2万で計6万」と言う言葉があるらしく「猿と鹿の町」でもある。
・ 生憎「千尋の滝」は霧でまったく何も見えず、やむなく引き返して昼食の場所に移動となる。「レンガ屋」と言い「豚の焼肉屋」である。団体客がほとんど行く場所らしく我々以外に数台大型のバスが止まっていた。こういう場所を生徒は好む。豚の味も結構いけた。
・ 昼食後は「安房川のカヌーくだり」だ。全員体操着で一人一台のカヌーを漕いで川上を目指し帰ってくる3時間弱のコースだが「透き通る美しい川」に一人慣れないカヌーを漕いで奮闘する様は良い経験となる。
・ 勿論5グループに分け、専門の指導者がそれぞれについているのであるが、生徒は突き進んでいくものやジグザグでまっすぐ進まない者、ひっくりかえる者がいたりして盛り上がる。男の子はこういうのが好きだとつくづく思う。
・ 私はどうしようか迷ったが「一緒に遊ぶことにした」。ただしS先生と二人乗りだ。副校長もN先生も一人カヌーだ。皆さん頑張っておられたがN先生は3回ひっくり返って川の中であった。我々は大丈夫であった。
・ しかしこれらが出来るのも男子ばかりだからであり、バスの中で体操着に着替えることが出来るわけで、これが来年女生徒が入ると「どうしようか」と考えてしまうのだが「指導してくれる地元カヌーの先生」は「テント持ってきますよ。女子の方が男子よりカヌーは上手いですよ」と主張して、来年も是非という。
・ 確かに今日だけで一人当たり5000円として総計15万円位の現金収入だから地元関係者にとっては小さくはないだろう。来年のことはゆっくりと考えよう。3時30分本降りになってきた。急いで上がらせホテルに直行だ。すぐ風呂に飛び込ませる。風を引かせてはならない。明日が本番だからである。
・ ホテルは「屋久島グリーンホテル」、立派なホテルで新しい。夕食まで時間があり、この時間で日記をまとめている。部屋にランケーブルが来ていないのが少し残念だがモバイルカードを入れたら部屋からネットに接続できる。便利な世の中になった。「何処にいてもネットに入ることができ、メールが確認できる」のだ。
・ 小さなモバイルパソコンが久しぶりに役に立っている。昔このパソコンをリュックに入れて歩き回ったことを思い出す。撮った写真もすぐパソコンに取り入れられる。今回も良い写真が沢山撮れた。少しずつ公開していこう。北海道方面に出かけている高校生の一段はトラブルなく修学旅行を継続しているという。これも毎日メールで学校の副校長から情報が入って来るのだ。
・ 夕食は18時、まあまあというところか。「飛び魚のから揚げ」が有名というが、今ひとつと言う感じだ。食事後明日に向けての注意事項だ。食後改まって「校長講話の時間」を貰った。明日の夕方はもう大阪に向かって帰らねばならない。ゆっくり話せるのはこの時間しかない。「校長の思いを伝えた」。
・ 遂に本番を迎える。「縄文杉登山」。全員の登山用荷物はホテルに宅配便で着いていた。100%雨という。雨の登山である。どの人も絶対雨具が要るという。加えて傘があれば更に良いという。4時起きだ。朝食抜きで2食分とペットボトル2本を持たせてホテルを出る。